【映画感想】KUBO 二本の弦の秘密【クボ】
「瞬きすら━━してはならぬ」
2017年11月公開。
アメリカで製作されたストップモーションアニメ。要はパラパラ漫画のようなアレ。何故この手法で映画を作ろうという発想に至るのか……。狂気かよ。
何かの映画を観たときに宣伝映像で存在を知って、興味自体はあったんですよ。とはいえ映画前に見る映画の宣伝って全部面白そうに見えるからキリが無いと思っていたんですね。
そしたら公開後、TLに絶賛する感想が次々と流れてくるではありませんか。まぁ8割くらいきなこさんの感想とリツイートだったんですけど。
丁度『仮面ライダー 平成ジェネレーションズ』を観に行く予定があったので、ついでにと。
時間が合うのが吹替え版だったのでそっちを選択。自分の金で洋画を観たのって初めてかもしれん……。
三味線を奏でることで紙を自在に操る能力を持つ少年クボ。弾き語りで生計を立て、母を支える日々を過ごしていたクボだったが、ある日、母の言いつけを破ったことで彼の命を狙っている者達に見付かってしまう……。
何でこんな久保って書かれそうな名前にしたんだと思ってたんだが、どうやらマジで久保から拝借した模様。
キービジュアルから判る通り日本をリスペクトした世界観となっており、何処か不気味ながらも美しい映像が展開されていく。BGMも和風で良い感じ。
勿論、CGも使っているんだけど、それはどうもエフェクトだけに留まっている模様。えっ、背景とかも全部実在するミニチュアなのん……?正直引く。
月の帝を倒すため、3つの武具を求める旅に出るクボ。様々な舞台を冒険することになるが、これが何処もワクワクするような美しい舞台でなぁ。
戦闘シーンも良いんだけど、こういう景色を楽しむカットも良かったですね。
ストーリーは一見、子供向けと見せかけながらなかなかにハード。ガチの殺し合いだからな……。家族が無事再会してめでたしめでたしといってほしかったところだが……。
これで村に怪物を呼び込んだってクボが迫害される展開だったら軽いトラウマになるところでしたわ……。『ザンボット』かよ。
コメディタッチなシーンが皆無というわけではないので、胃が痛くなるというレベルではない。サルが両手足3本を使って蚊?を掴み取るシーンすこ。
人形は結構癖のあるデザインかな。動かし易さでこうなっているというわけではないだろうし、そもそもこういうデザインなんだろうな。
闇の姉妹、怖過ぎ問題である。エフェクトの掛かった声が何とも不気味でなぁ。目の前に現れた瞬間に、あ、死んだ。って思わせる怖さ。
最後に相対することになる月の帝。完全にクソ野郎なんだけど、最後で何だか許された感じになったのがいかがなものかと。
クボにとっては唯一残された肉親とはいえ何だかなぁと思ってしまう。
記憶が全部吹っ飛んで、村人達にいいように嘘の記憶を植えつけられるのが罰ってことかなぁ……。
流石に1本の映画の中で武具を3つ集めて敵の総大将をぶっ飛ばすという構成は尺がキツかったのか、所々えっ、どういうことなん?ってなる部分がある。
お母さんは心が壊れかけていた筈なのに、サルに移った後はシャキシャキしていた理由が理解らない。
壊れる前に人格だけコピーしておいたのを最期に起動させたってことかな。
最果ての島から旅がスタートした割にはスッと最初の村まで戻ってきた印象。いや、飛行能力があったから簡単に行き来出来ただけで、陸路だとムチャクチャ遠い立地かもしれん。
そもそも月の民がどういう存在で、何故サムライを殺していたのかも謎。天上人みたいな雰囲気だったけど、それなら地上人と関わりを持たなくても良いのでは。
クボの能力は結局何だったんだろう。月の民にはそれぞれ固有のスキルがあって、その内の1種という扱いなのか……。
帝も闇の姉妹もそんな能力使ってなかったよな……。
何でクボの夢の中に唐突にお爺ちゃんが現れたのか。冷静に考えたらお爺ちゃん、帝とかいう割には配下が全然いなかったな……。
細けぇこたぁいいんだよ!雰囲気で察しろ!ってことかな。俺が聞き逃したり忘れたりしている部分もあると思うが……。
そんな具合で『KUBO』でした。とにかく映像とBGMから構成される雰囲気が強い作品でした。映画感で観た方が良いという意見も頷ける。
人形とCGの融合という意味では『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀』が好きな人に向いているかもしれぬ。
燃:A 萌:C 笑:A- 総:A+
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