【コミカライズ】コミック版 魍魎の匣(下)【感想】

コミック版 魍魎の匣(下) (講談社文庫)

原作:京極 夏彦 漫画:志水 アキ

(それでも━━私は何だか酷く男が羨ましくなってしまった)

2016年5月の新刊。
上巻の表紙は京極堂で、下巻は誰かと思いきや頼子であった。え、そこ?久保一択だと思うんだが……。
別に女の子を表紙に出して売り上げが伸びるような作品でもなかろうに。

上巻より下巻の方が薄いのは、どういう構成なんやろか。こういうのって普通、下巻の方を分厚くするものなんではないんだろうかね。

さて、事件解決へ向けて、一見関連性の無さそうな事件が一点へ収束していく。
久保が手袋をしていることを京極堂が知る→頼子がピンチ→頼子のバラバラ死体発見の急展開がやはり盛り上がるんだなぁ。

青木刑事が見付けた頼子の胴体、見開きでがっちり描写されてるのしんどいわ……。加菜子に憧れて、お澄まし顔していた少女が苦悶の顔で死んでるの本当にしんどい。そういう絵が出て来るんじゃないかと予想がついていたから良かったが、完全に不意打ちで見ていたらどうなっていたことか……。
続けて、久保のバラバラ死体が見付かって振り出しに戻る絶望感よ。

病院送りにされた青木刑事、何でイチゴ柄の可愛いパジャマなのか……。誰かが貸してくれたものなんだろうかね。

美馬坂近代医学研究所での真相解明も盛り上がる盛り上がる。漫画としての見せ方が上手いんですよねぇ。
箱に魍魎の幻がまとわりついている最終話への引き、最高にZOKUZOKUする。

美馬坂先生の最期も凄絶で。断片的にしか見えていないが、胴体だけになった久保の化け物さがヤバい。頭髪がボロボロになっているのは時間経過でそうなったってことなのかな。

エピローグで1人、鉄の箱を背負って旅を続ける雨宮のイメージがまたもの悲しい。本人は脳内ウルトラハッピー状態なんだろうけども。

そんな具合で原作の雰囲気を損なうどころか、漫画として完璧に再構成されていた『魍魎の匣』でした。これは次の『狂骨』も一気に行きたいところ。

燃:A 萌:A 笑:B+ 総:S-

シリーズリンク
コミック版 魍魎の匣(上)(2016/05)
コミック版 狂骨の夢(上)(2016/11)

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コミック版 魍魎の匣(下) (講談社文庫)
志水 アキ
講談社 (2016-05-13)
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