【ラノベ】黄昏の騎士団、蹂躙、蹂躙、蹂躙す【感想／ネタバレ】

著：あわむら赤光　イラスト：夕薙

「今すぐ僕を、君の騎士（もの）にして」

ＧＡ文庫2019年４月の新刊。約11ヶ月３週間半の積み。『アレクシス』９巻から３ヶ月振り。
『百神百年大戦』もまだ始まったばかりだというのに、またもや新作が登場。

末期小児癌患者の裏城紫苑はある日、天上界の月の姫エミルナと出会い、不滅の肉体を得ることに。
紫苑はエミルナの騎士として対立する陣営の騎士達と戦うために自分だけの騎士団を作り出し、不死の力で次々と敵を蹂躙していく……。

８人の王達それぞれが司る特権を与えられた騎士達による異能力バトルというコッテコテ感が堪らない。
紫苑や騎士団の仲間達はいずれも不死の力を得ており、殺されても即座に復活出来る。こう書くと緊張感が無さそうなんだけど、痛みは軽減されないというところがミソ。だから何回殺されても立ち上がれるだけのメンタルが必要なんだよなぁ。

紫苑は可愛い顔して、何回死んでもケロっとしており闇の深さを感じる。そんな彼が外道極まる悪役を徹底的にぶちのめすシーンは実に爽快でしたね。黄昏の騎士団側に立っている間は頼もしい力だけど、フィニッシュブローをことごとく潰されてしまう戦う相手からすれば絶望しかないんだよなぁ。

そうは言いながらもボスキャラとしては不死身なだけでは到底勝てる気がしない相手が平気で出て来るのもZOKUZOKUするねぇ。
不死性というチート能力をメインに据えておきながら勝てないかもしれないという絶妙なバランス感よ。

帯に「現代バトルはここから再生する!!!!」とかめちゃくちゃ強気なことが書いてあって、おいおい大丈夫かよ……（失笑）と思っていたのだが、偽り無しだったわ……。せやねん、こういう異能バトルが読みたかったんですよアテクシは!!

そんなわけでシリーズ化することを祈りたい新作でした。出番は無いけど名前だけ出ている騎士もいるんだし、頼む……頼む……。
ほんと積んでしまったのが申し訳ねぇ。

次は2020年２月に新作『俺の女友達が最高に可愛い。』ということで、ここから一気に10ヶ月も間が空いてしまう。やっぱり白内障の術後経過が良くないのか……(´･ω･`)
Twitterを遡ったところ『アレクシス』10巻を書いていることは判ったが、『黄昏の騎士団』も頼む……。
あれかな、比較的執筆の負担が軽いラブコメでリハビリをするという狙いなんだろうか……？

燃：A+　萌：Ａ　笑：C+　総：A+

著者リンク
・聖剣使いの禁呪詠唱（2012/11）
・我が驍勇にふるえよ天地－アレクシス帝国興隆記－（2016/07）
・我が驍勇にふるえよ天地 Vol.９－アレクシス帝国興隆記－（2019/01）
・百神百年大戦（2018/06）
・転生魔王の大誤算～有能魔王軍の世界征服最短ルート～（2020/09）
・ルーン帝国中興記～平民の商人が皇帝になり、皇帝は将軍に、将軍は商人に入れ替わりて天下を回す～（2021/12）
・ゲームで不遇職を極めた少年、異世界では魔術師適性MAXだと歓迎されて英雄生活を自由に満喫する／スペルキャスターLv100（2023/03）