【ラノベ】鬱ゲー転生。 知り尽くしたギャルゲに転生したので、鬱フラグ破壊して自由に生きます【感想/ネタバレ】
著:穂積 潜(ほづみ・もぐり) イラスト:希望 つばめ
監禁されて、燻製にされたヒロインズの肉を食わされる主人公の気持ちになってみろ。
ファンタジア文庫2022年2月の新刊。約3日の積み。第6回カクヨムWeb小説コンテスト現代ファンタジー部門大賞受賞作品。これが現代ファンタジーの括りになるのか……。
希望さんは『俺は1000の召喚獣を持っている。君は?』でファンタジア登場済。
転生ものは全く食指が動かないんだけど、「鬱ゲー」というところに心惹かれまして。「死」じゃなくて「鬱」という点が気になって読んでみようかなと。
鬱ゲーとして有名な『くもソラ』の世界に主人公の成瀬祐樹として転生した中年サラリーマン。持ち前の完全記憶能力を駆使して、この世界の鬱要素を全て破壊して幸せに暮らそうと考えて……というお話。
口絵のキャラ紹介がギャルゲの公式サイト風になっているのは面白い。ゲーム上ではぷひ子がメインヒロインの筈なのだが、ヒロインの中で紹介順は2番目なのね。このぷひ子、ヒロインとして全然魅力を感じないんだが……。納豆が大好きなのはめっちゃ共感出来るけどw
祐樹が少年期に入ったら、雰囲気変わるのかしらん。1巻なのに表紙にもいないんだぞ。
転生前の導入パート、めちゃくちゃ適当で笑うしかない。あくまで転生したよ、というテイが必要なだけだからなんだろうけど……。
てっきり愛するヒロイン達を死なせたくない!という一心で突き進んで知らず知らずの内にハーレムを築いていくんだとばかり思っていたが、めっちゃ淡々とタスクをこなすのな。それどころかどのヒロインとも極力フラグを立てないようなムーブである。
転生前の主人公のパーソナリティが殆ど見えないので、全然感情移入出来んw
普段、転生ものを全然読まないから、どこまでが転生テンプレなのかよく理解らんな……。
鬱要素は人間関係等に端を発する精神的なものかと思えば、それもあるにはあるが、超常的な存在ががっつり絡んでおり、それが人間の負の側面をゴリゴリ引き出してくるという方向性。あらゆるポイントにヒロイン達のトラウマスイッチが仕込まれており、それを巧に躱していく様が面白いな。
断片的に『くもソラ』本編ではどういう展開を辿るかが解説されていて、逆にゲーム本編の方が気になってくるw
カクヨムの連載は継続中だけど続刊は決まっていない様子。それならもうちょっと〆っぽく終われば良いのに……。ページをめくったらまだ続きがありそうな終わり方してるw
そんなわけで思っていたイメージとは違ったものの、続きが気になる『鬱ゲー転生。』でした。2巻出たら買おうっと。
今思えば、ファミ通文庫『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』ってかなり時代を先取りしていたんじゃなかろうか……。
燃:B 萌:A 笑:A 総:A
イラストリンク
・覚えてないけど、キミが好き(一迅社文庫、2012/04)
・メイドな狐と監禁コン!(美少女文庫、2019/04)
第6回カクヨムWeb小説コンテストリンク
・俺の召喚獣、死んでる(ファンタジー部門特別賞、2022/02)
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