【ラノベ】俺の召喚獣、死んでる【感想/ネタバレ】

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著:楽山(らくざん) イラスト:深遊

「喪失の果てで手にした明日に泣くことなかれ!焼け跡で咲いた花に微笑みたまえ!」

ファンタジア文庫2022年2月の新刊。約2日の積み。第6回カクヨムWeb小説コンテスト異世界ファンタジー部門特別章受賞作品。
いや、このシンプルなタイトルはズルいですわ……。えっ、死んでんの!?って興味湧くじゃんねぇ。

粗筋と深遊さんのイラストを見れば、コメディでないことは一目瞭然なんだけどタイトルが気になり過ぎてスルー出来んかった。
著者の楽山さんはこれがプロデビューというわけではなくNOVEL 0で1冊出してるのね。
深遊さんは『鋼殻のレギオス』や『グランクレスト戦記』でファンタジアではお馴染みの方。

召喚術師養成学校に通う苦学生フェイル・フォナフが喚んだ『片割れ』の召喚獣パンドラは偉大な神話の存在だった。最強の召喚獣で俺TUEEEEEEEかと思いきや、現れた神話の魔獣は完全に死んでいて……。

最初こそ、はいはいよくあるよくあるといった雰囲気のファンタジー学園ものだったんだけども、陳腐さを感じない世界観の設定とフェイルのキャラ立ちで読ませてくれるじゃない。ちょっとやそっとじゃブレない軸を持って生きてるのが格好良い。
フェイルの一人称文体にちょっと癖があるのは好みが分かれそうではあるか。すぐに「~のである」って言うね。

ヒロインの第三王女サーシャは完璧超人と見せかけて、大好きな少女漫画のサイン会でガチガチに緊張してしまうという落差が良い味を出している。
フェイルがなりゆきでサイン会に付き添ってあげるシーンはほっこりして大変良かったね。
2人だけの秘密を共有する「しー」の仕草にはグッときましたよ。これは誰がどう見ても美少女である。

で、問題は死んでるパンドラである。一体どういうアプローチを仕掛けるのかと思ったら、割れてる頭蓋から中に入って魔法で操縦である。ロボットものかwwww
どうやって死体を動かすかということを検討し出した辺りから、ロボットものっぽい雰囲気が見え隠れしてきて、ラストバトルは完全にロボットものですわ。
何が何でもパンドラを動かしてサーシャを助けるんだって気合いの入り方、嫌いじゃないわ!

パンドラが生きていた神話時代の設定も色々と作ってあるようだし、これは世界観が広がるともっと面白くなってくるんじゃないかしら。
カクヨムの連載は終わっているみたいだけど、シリーズ化するんかな。出来ない理由は無いと思うけど兼業作家さんっぽいから2巻が出るとしても時間掛かりそうね。

燃:A+ 萌:A 笑:A 総:A+

イラストリンク
虚ろなるレガリア01 Corpse Reviver(電撃文庫、2021/06)

第6回カクヨムWeb小説コンテストリンク
鬱ゲー転生。 知り尽くしたギャルゲに転生したので、鬱フラグ破壊して自由に生きます(現代ファンタジー部門大賞、ファンタジア文庫、2022/02)

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俺の召喚獣、死んでる (富士見ファンタジア文庫)