【ラノベ】一條明日菜の地球連合【感想／ネタバレ】

著：至道流星　イラスト：さくらねこ

「岡っ引きエンジェル山田」

ファミ通文庫2016年５月の新刊。約６年２ヶ月４週間の積み。当時であちこちのレーベルで本を刊行していた至道さんがファミ通文庫にも登場。
最早全く憶えていないが、至道さんの他の著作には手を出していないということは著者買いではなく、イラスト買いなのかな……。この頃はさくらねこさんが挿絵を担当しているタイトルは無条件で買ってた筈。

生徒会長選挙の場で地球を統一すると宣言した一條明日菜。誰もがたわごとと思う中で、偶然彼女の話を深く聞くことになった霧島隼兵は２人で地球連合部を立ち上げることに……。
いち学校の部活から世界を動かしていこうという流れはガガガ文庫『羽月莉音の帝国』との共通項ですね。

隼兵は巻き込まれ型主人公ではあるんだけど、地味ながらなかなか優秀で。まず相手の話をちゃんと聞くというところからして偉いぞ。それにロードマップなんて言葉がすっと出て来る高校生、なかなかおらんやろ……。

さくらねこさんのイラストのクオリティは申し分無し。それだけにそのイラストを活かし切れていない展開は勿体無い。明日菜の言動がガラ悪過ぎるんだよなぁ……。何でこんなヒロイン造形にしたんだろう。外見とのギャップが凄いってレベルじゃねーぞ。アイドル活動も力を入れ出す前に終わっちゃったしな……。
絵師後書きの雲雀はあざと可愛かったですねぇ。

ここからシリーズ化していきそうな内容だけど、続刊は出ず。売れなかったのか、編集部と折り合わなかったのか……。
そもそもファミ通文庫からこういう内容の本が出る時点で結構驚きである。『羽月莉音』はガガガだから許されていたんじゃないかな……。

１冊でなかなかスケールのある、ちょっと無理がないか？みたいな展開にまで進んでいたので、もしかしたら最初から１冊限りのつもりだったのかもしれない。
生命を懸けてやるって凄くあっさり言ってるのがちょっと引っ掛かったよね……。

燃：B+　萌：A+　笑：B+　総：Ａ

著者リンク
・羽月莉音の帝国（ガガガ文庫、2010/02）

イラストリンク
・レイヤード・サマー（電撃文庫、2011/01）
・それがるうるの支配魔術 Game1:ルールズ・ルール（スニーカー文庫、2011/04）
・優等生以上、フリョー未満な俺ら。（GA文庫、2011/10）
・恋人にしようと生徒会長そっくりの女の子を錬成してみたら、オレが下僕になっていました（一迅社文庫、2012/08）
・mgmg！先輩と俺の悩ましき日常（Ｃ★NOVELSファンタジア、2012/09）
・超人高校生たちは異世界でも余裕で生き抜くようです！（ＧＡ文庫、2015/10）