【ラノベ】誰が勇者を殺したか【感想/ネタバレ】
著:駄犬 イラスト:toi8
「僕がアレスを殺したんだ」
スニーカー文庫2023年10月刊行物。約1週間半の積み。
なろう発のファンタジーミステリ。刊行当時から存在は知っていたが、このラノ2024を見て気になったので購入。
駄犬さんは何と既に45歳オーバーということでラノベの著者としてはかなり珍しいのではなかろうか。
世界を脅かす魔王は倒された。しかしそれと同時に勇者は帰らぬ人となった。王女アレクシアは勇者の死因を探るため、勇者のパーティーメンバーに聞き込みを開始する……というお話。
パーティーメンバーをはじめとした面々への聞き込みとその人達のモノローグを繰り返すことで隠された真相が浮かび上がってくるという構成。
勇者アレスも含めてパーティーメンバーみんなそれぞれに印象が強くて良いな。特に聖女マリアの腹黒さよ。「マジで?」じゃないのよw
中盤で、あ、さてはこれ入れ替わりトリックだな?と匂わせてから確定させるまでのストロークの短さよ。この辺りから、おや、これはミステリか……?という疑念が浮かんでくる。
これ、どっちかというと業界の風向きによって売り出し方が変わる作品のような気がするなぁ。今はファンタジーとミステリが盛り上がってるからファンタジーミステリの方向性で押してるけど、泣けるファンタジー路線で押す方が作品の本質に近い気がするね。
そう考えるとファンタジア文庫『12月のベロニカ』って今売り出せば当たるんじゃないか?あれ、結構ミステリっぽい作風だったよな?
戦闘描写は薄いものが少しある程度で淡々と進行。重たいストーリーに反して、最後の最後がめちゃくちゃ気持ち良く終わったのが意外だった。
エピローグのハートフルさが堪らない。ザックとスイーツ店の親父の交流がコミカルで楽しかった。このハートフル路線を磨けば良い作品が生まれそうじゃない?
Web連載の方では続いているということもないし、これは続きは出さずに1冊で終わっておく方が綺麗だろうね。
燃:B 萌:A 笑:A 総:A+
シリーズリンク
・誰が勇者を殺したか 預言の章(2024/08)
イラストリンク
・薔薇十字叢書 蜃の楼(富士見L文庫、2017/05)
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