原作:矢立 肇/富野 由悠季 著:木村 暢
イラスト:海老川 兼武/柳瀬 敬之/羽音 たらく
生き続けたこと。
死ななかったこと。
他者とつながること。
わかりあうこと。
そのために、イノベイターになったこと。
それらの全ては、このためにあった。
矛盾をはらんでいても。
肯定する。
刹那・F・セイエイは肯定する。
自分という存在。
そのすべてを。
だからこそ、彼は言える。
親を殺し、人を殺し、自分さえも殺してきた彼が。
だからこそ、彼は言える。
「……俺には……生きている意味があった……」
約1週間の積み。本当はもっと寝かせるつもりだったんだが、劇場版が滅茶苦茶面白かったので、この気持ちを忘れない内に読もうと思い、優先消化しました。
テレビシリーズのノベライズの良かった部分を丸ごと継承していて、今回も期待を裏切らない素晴らしい出来でした。
心理描写が増えたことで、各キャラへの感情移入がし易くなっている。
マネキン夫妻のイチャイチャが予想以上だった件。つーか、コラ沢さん婿入りしたのか……。まぁ、300年後に婿入りとかいう概念が残っているのか知らんが。
そもそも、もうコラ沢さんではないんだよな……。
シーリンの子供にもちゃんと言及するノベライズに隙無し。でもクラウスもシーリンも姓が変わってないんだよな。
年齢を意識しちゃうスメラギさん可愛いと言わざるを得ないw
デカルト関係の描写は多少増えてるかな、という印象。オナニーとか言っちゃってます。一般人を劣等種として見下しているが、決して嫌っているわけではなかったそうで。難しいな。
ガデラーザは「ガ」シリーズの扱いらしい。外見の印象としては、エンプラスやレグナントなんだけども。あれも技術的には「ガ」シリーズに近いんだっけか。
僕等のビリーはテレビシリーズの後も、何度かスメラギさんと会ったらしいです。
ミーナがビリーにつきまとう理由は明かされず。ただ、彼女の家が遺伝子提供を行っていたことは明言されてます。
映画では確かキスまでだったと思うが、こっちではガチで押し倒されてるビリーに吹いた。
過去に散っていった者達を振り返るシーンではちゃんとモレノさんが言及されていてホロリときた。外伝ではしっかり活躍してたんだから、みんな忘れないであげてください。
エピローグはもうちょっと情報量が欲しかったかなぁ。新型MSの解説とか、スメラギの命名者とか、エルスとの共存状態とか。
姫は結婚していなかったそうな。一緒に写真に写っていたのはあれか、カタロンに身を寄せていたときに知り合った子供達なのかな。
せっちゃんがメタリックになっていたこと自体が描写されていませんでした。
外宇宙航行艦スメラギの命名がビリーじゃないかって意見があったけど、ミーナが猛反対しそうな気がする。
その一方で、それを許す代わりに無理矢理関係の進展を迫りそうな気もすんだよなw
そしてクラウスとシーリンの子供とビリーとミーナの子供が、ソレスタルビーイングと共に戦ったエピソードがあるらしいことを匂わせて終了。外伝、若しくは続編フラグとしか思えねぇw
つーかマネキン夫妻は子供をもうけなかったんだろうか。
つーわけで、劇場版のノベライズでした。派手なアクションシーンをある程度省くことでページ数を抑えているようで、全体の情報量としては十分満足出来る量です。
副読本として最適。
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