【ラノベ感想】やがて魔剱のアリスベル

やがて魔剱のアリスベル (電撃文庫)
著:赤松 中学 イラスト:閏 月戈

「この━━超弩級鈍感男!ツンデレの文法ぐらい知っとけ!腹切って死ね!」

電撃文庫2012年9月の新刊。約3ヶ月2週間半の積み。
タイトルの「魔剱」は「まけん」と読みます。
MF文庫J『緋弾のアリア』でお馴染みの赤松中学さんが電撃文庫に殴り込み。他レーベルでデビューした作家さんが電撃に入ってくる事例は極めて稀だと思う。

イラストはMF文庫J『お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ』等でお馴染み、閏月戈さん。

舞台は異能力者を育成する学園、居鳳(いのう)高校に、何も知らず入学した主人公、静刃(せいじ)。
異能力者として目覚めた彼は、64個揃えたときに何でも願いを叶えてくれる鳳の欠片(カラット)を巡る鳳凰戦役(フェニケ・ロワイヨ)に巻き込まれていくことになる……というお話。

『アリア』の後書きで明言されていた通り、あちらと世界観を共有しており、ちょこちょこ共通ワードや人名が出て来る。
時系列は、どうなってるのか、よく理解らん。静刃の妹、祈が言っていた「ちょっとした国難」くらいしか特定出来そうな要素が無い。
その辺は、いずれ判ってくるみたいだけど……。

まぁ、キリコがどうもレキから師事を得ているみたいだから、『アリア』とはかすりもしない時間ってことはなさそうだな。

基本的なノリは『アリア』と一緒。あっちが駄目なら、こっちも駄目だと思う。ただ、あっちがずっと主人公キンジの一人称であるのに対し、こちらは登場人物の視点が入り乱れている。
視点が切り替わる度に、わざわざ誰の視点か明記してあるのは、ライトユーザーを意識してのことなのか。
やっぱり、視点の切り替わりが理解り難いって理由で読まなくなる層が居るんだろうなぁ。

『アリア』は巻数を重ねる内に、異能力やら化け物要素が増えてきたけど、こっちは最初からクライマックスにてんこ盛り。
もしかして……とは思っていたけど、クライマックスな引きまで同じなのかよ!

ハーレムっぽいキャラ配置になっていく展開に、ある程度の理由付けがあるのも同じか。こういうのは強引にでも説明があった方が状況を納得し易いよな。

問題は閏さんのイラストが、いまひとつピンとこないことだな。別に悪いわけじゃないんだけど、あんまり可愛いって感じのイラストじゃないんだよなぁ。『おにあい』で見たときは、それなりに可愛いと思った気がするのだが……。

後書きによると、いずれ『アリア』とガッチリリンクしそうですが……。
次は2013年1月に2巻『蒼穹の戦線』。

燃:A- 萌:B+ 笑:B 総:A

シリーズリンク
やがて魔剱のアリスベルⅡ 蒼穹の戦線(2013/01)

コミカライズリンク
やがて魔剱のアリスベル <Ⅰ>(2104/10)

世界観リンク
緋弾のアリアⅩⅢ 反撃の九龍(MF文庫J、2012/08)
緋弾のアリア キャストオフ・テーブル(MF文庫J、2012/12)

著者リンク
チアーズ!(MF文庫J、2017/09)

イラストリンク
お兄ちゃんだけど愛さえあれば関係ないよねっ(MF文庫J、2010/12)
魔術師たちの言想遊戯Ⅰ(ファミ通文庫、2011/01)
俺がお嬢様学校に「庶民サンプル」として拉致られた件(一迅社文庫、2011/11)

電撃文庫

Posted by お亀納豆