〝藤壺〟 ヒカルが地球にいたころ……⑩

“藤壺
著:野村 美月 イラスト:竹岡 美穂

「ありがとう、是光。きみは、ぼくのヒーローだったよ」
「出会ってくれて、ありがとう。友達になってくれて、ありがとう」

2014年4月の新刊。約1ヶ月3週間半の積み。4ヶ月振りの新刊。『ドレ僕』5巻からは連続刊行。
表紙は満を持して、藤乃さん。妊娠中の人妻にピンで表紙張らせるとか流石売れてるシリーズは違うな!

口絵のこれまでの集大成感は異常。
さて、遂にヒカルの代理人としての役目も終盤戦へ。蠢く六条の陰謀と是光の恋の決着も相俟って、怒濤のクライマックスへ。

ヒカルが是光を通して花達に別れを告げていくシーン、最高の友達との別れのシーンは涙無しには語れない。

大逆転されるんじゃないかとヒヤヒヤさせられた式部さんは無事大勝利で良かった良かった。

総評

そんなわけで源氏物語を下敷きにしたラブストーリー、ファミ通文庫『ヒカルが地球にいたころ……』全10巻、これにて閉幕。足掛け2年11ヶ月か。ぽんぽん刊行していたから完結まで思ったほどかかってないんだな。

甘く切なく、そして時にアツく描かれた是光とヒカルの友情、そして彼等を取り巻く花達の恋模様ということで、間違いなくオンリーワンのラノベでした。

特に是光さんの格好良さといったらない。思わず舎弟にしてほしくなるレベル。
魅力的なヒロインが沢山居るんだから、『〝文学少女〟』のときみたいにお馬鹿なノリの短編集を間に出しても良かったのになぁと。魅力的なキャラがいっぱい居るんだし。

スクエニ系列でコミカライズしたのにアニメ化しなかったな。いや、下手にアニメ化するくらいなら、そっとしておいた方が良い作品なのは疑いようがないんだけど、それでも2クールでアニメやってほしかったな……。

次は2014年5月に新シリーズ『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる』1巻、6月に新作『陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女』、8月に『吸血鬼』2巻。

燃:A 萌:A 笑:B 総:A+

シリーズリンク
〝六条〟 ヒカルが地球にいたころ……⑨(2013/12)
Mizuki Nomura & Miho Takeoka Premium Book(2014/08)

著者リンク
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 <5>(2014/03)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(2014/05)

ファミ通文庫

Posted by お亀納豆