【小説】文庫版 鬼談【感想/ネタバレ】
著:京極 夏彦
「斬るなら私の方だったよ」
2018年2月の新刊。約2年2ヶ月1週間の積み。2年1ヶ月振りの新刊。解説を見ると『旧談』は別シリーズ扱いのようにも思えるんだが、ここでは同シリーズとして扱います。だってタイトルだけ見たら、どう考えてもシリーズものだもんなぁ。
表紙の張り子は鬼。総扉で見ると、ちょっとお間抜けにすら見えるんだけど、表紙ではアングルの所為でばちくそ怖い(´;ω;`)
こんなん夜にふっと視界に入ってきたら泣いてしまうかもしれない。
今回はまた毛色が変わり、「鬼」にまつわる様々な短編を収録。長さも舞台となる年代もまちまちだけど、全作に共通しておどろおどろしさがありますね。
はっきりとこういうことですよって説明してくれないから、いかようにでも怖く解釈出来てしまう……。
過去と現代が交錯しながらどうしようもない結末へ向かう『鬼縁』。鬼を恐れて殺そうとする側も鬼。何やあっちこっちも鬼だらけかよ……。
どうしようもない駄目男を愛してしまった女の『鬼慕』。男が妻に対して申し訳なく思っているんだ、それなら許して成仏しまひょかと見せかけてからの「死ね」である。こう、ドストレート過ぎてグサッとくるというか。
ある筈のない建物が見える『鬼景』。座ったまま死んでいたおばあちゃん怖過ぎ泣いた。最後の最後で急に耳元まで接近してくるの心臓に良くない……。
母がどんどん狂っていく『鬼気』。理由も解決策も判らないままに、どんどん状況が悪くなっていくの嫌過ぎるな。しかも得体の知れなさと痴呆という現実的な問題が混ざり合っていて、両面から攻めてくる……。
次は2019年5月に『今昔百鬼拾遺 河童』。
燃:C 萌:C 笑:C 総:A
シリーズリンク
・旧談(2016/01)
・文庫版 虚談(2021/10)
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