彼女と二人で「C」体験!
著:石川 ユウヤ イラスト:稲垣 みいこ
でも、それでも。こんなくだらない俺でも、さ。
彼女は、俺のそばにいてくれることを選んだ。
そいつは、俺にとって━━。
ものすっごく、素敵で。
ものすっごく、オンリーワンなことで。
そう。ものすっごい体験だった。
だから━━怖い思いをさせたぶんだけ。ハラハラさせちまったぶんだけ。
せめて、守ってやんなくちゃ。
それくらいは、やれなくちゃ。
男の子だろ。
約1ヶ月3週間半の積み。MF文庫J『鳳凰堂みりあは働かない!』の3巻打ち切り完結から7ヶ月。第3シリーズが始動。
最初は露骨過ぎるタイトルに正直引く、ってなったんだけど、それがC言語の「C」と賭けていると判ったので買いました。C言語は使えんが、Fortranはかじったことがあるもんで。
口絵はノーパソブラだったり、ぐんにょり4ページです。
失踪した姉の持ち物の中から謎のメモ書きを見つけた主人公、令人(れいと)はメモの内容を知るために、学校のマイコン部を訪れる。そこで、偶然同時にマイコン部を訪れた少女、葵と出会い、彼女と一緒に100万円の価値を持つプログラムを巡って一大逃避行を繰り広げることに━━というお話。
C言語を扱っているラノベと言えば、スーパーダッシュ文庫『よくわかる現代魔法』よりも先にファンタジア文庫『MA棋してる!』を思い出す俺は異端。
結論から言うと、かなり面白かった。凄い偏見込みで言うが、主人公とヒロインだけの逃避行。友人と思っていた者さえもが敵側なんて展開が洋画を彷彿とさせる。もう一度言うが偏見です。
息をつかせぬ展開はのめり込んでしまい、電車を乗り過ごしかけるほど。かなりギリギリでした。
前シリーズで、物体としてのニートとか阿呆なこと言っていたとは思えないくらい熱いストーリーでした。
C言語に関する知識が全く無くても楽しめます。と言うか、そんな専門的な話は殆ど出て来ない。あくまでも何や知らんが凄いプログラムの争奪戦って感じなので。
最後にちゃんとタイトルに相応しいオチを持ってきているのも好印象。
これ1冊でしっかり纏まっていて、かつ続けられるようになっている構成が心憎い。
そんなわけで、『彼女と二人で「C]体験!』でした。これはMFにしては良い意味での変化球。
燃:A 萌:A 笑:B 総:A+
シリーズリンク
・彼女と二人で「C」体験! V2.0 ~絶頂ポリモーフィズム~(2010/12)
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