【ラノベ】薔薇のマリア 21.Ilove you.[rouge]【21巻/最終巻/感想/ネタバレ】
著:十文字 青 イラスト:BUNBUN
今日、我々は一歩進む。だから、明日もきっと進めるはずなのだ。
2014年5月の新刊。約7年8ヶ月4週間の積み。連続刊行。
最終巻ということで表紙はマリアを中心に主にZOOのメンバーが集合。20巻の表紙と繋がる構図となっている。
遂に世界の終わりに到達したマリア達の前に地獄の帝王が立ちはだかる。その圧倒的の力の前に最早僅かとなった仲間達の生命が更に散っていく……。
あれ、このシリーズにしては250ページ程度と短いなと思ったら、めちゃくちゃな文字密度で笑ってしまった。
これはページ数を制限されたけど、極力詰め込みたいという意志の表れなのかしら。
あれだけ殺伐とした展開で、これ以上死人が出ない筈がないといった空気ではあったが、やはり次々と登場人物が死んでいくのは辛い。
子供が生まれたばかりのヨハンが死ぬのもしんどいし、遂にはピンパーネルまで……。ハニーメリーと一緒に子供育てるんじゃないのかよ……(´;ω;`)
明かされるマリアに隠された秘密。おいおい、まさかここでマリアの性別がずーっとぼかされていたことに意味があったと判るとは……。単にマリアが女性扱いされるのを嫌っていて、地の文もそこに触れないようにしているだけだと思ってたわ……。
エピローグがたっぷりあるのが嬉しいね。最終決戦には姿を見せなかったコロナ達の出番があるのも良かった。
決して世界は平和になったわけじゃないけど、少しでも良い未来へ向かおうと懸命に生きる人々の姿に胸打たれますね。
そして最後はアジアンとマリアの再会で幕引き。うーん、このしっとりとした終わり方、嫌いじゃないわ!
総評
そんなわけで長きに渡る群像劇、スニーカー文庫『薔薇のマリア』本編21巻、番外編6巻の総計27巻、これにてフィナーレ。足掛け9年5ヶ月。
時には主要キャラ達のシーンから盛大に脱線したりもしたけど、まずは広げに広げた風呂敷をきっちり畳めたことを喜ぼう。
よくもまぁこれだけキャラを増やして世界観を広げた上でちゃんと着地させたよな……。
クセのあるとがりまくったキャラ達は十文字さんにしか書けないよねぇ。容赦なくエグい展開に陥ることもある世界観もそう。
2016年頃にソフトカバーか何かから『ノラ猫マリィ』という随分先の未来を舞台にした新作が続編として刊行されているけど、そこまではもういいかな……。
スニーカー文庫でも細々と本は出しているみたいだけど、もう本シリーズみたいなのは業界的に出せないだろうなぁ。
燃:A 萌:A 笑:B+ 総:A+
シリーズリンク
・薔薇のマリア 20.Ilove you.[noir](2014/04)
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