【ラノベ】ミスマルカ興国物語ⅩⅡ【12巻/最終巻/感想/ネタバレ】

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著:林 トモアキ イラスト:ともぞ

「特殊能力なんてない。魔力もない。魔法も使えない。剣もうまく扱えない。けど言葉だけはある。理性だ。意思疎通可能な人類に対して最強の武器だけを僕は磨き上げてきた」

2015年5月の新刊。約5年9ヶ月の積み。1年4ヶ月振りの新刊。『ミスマルカ興国しない物語』からは連続刊行。

ひとつ前に出たのが番外編だったので、今回が完結巻とは思いもしなかったのだが、どうやら番外編をこのタイミングで出したのは『レイセン』と合わせて3ヶ月連続刊行を実現するためだった模様。
表紙もエーデルワイス1人と、全然ラストという感じがしねぇ。

さて、世界中が魔物の侵攻に脅かされる中、祖国ミスマルカへと戻ってきたマヒロ。彼は管理者として聖魔杯の真実を語り出す……。
ここにきていよいよマヒロの本領発揮。言葉だけで並み居る強者達を絡めとっていく。いかに相手を逆上させず冷静さを保たせた上で煽っていくかの綱渡り感が心臓に悪い。

まさか、いの一番に本物の聖魔杯が破壊されていたとはな……。もう存在しないものを巡って10巻以上、様々な人物が権謀術数をぶつけ合っていたってことかよ……。マヒロはよく最後の最後まで黙ってられたな。誰かに言いたくなりそうなもんなのにw

そして辿り着いたのは人類を見守る円卓。懐かしい顔ぶれがぞろぞろと。超常の存在達相手でも言葉を尽くして結果をもぎ取るマヒロの初志貫徹っぷりはお見事。
何も起こっていないことがマヒロの凄さを証明していると理解してくれている人がいるのは有り難い。そうなんだよ、トラブルを未然に防いでる奴が評価されるべきなんだよ。

何か第二部完結という形で打ち切りっぽく見えなくもないが、この後のお話は次の次のシリーズで総まとめになる……みたいな想定の模様。
ⅩⅠ巻を読んでから随分経ってるから楽しめないんじゃないかと思ったが、なかなかどうして。くそっ、こんなことならもっと早く読んでおくべきだったぜ……!

総評

そんなわけで言葉という人間の理性を信じるスニーカー文庫『ミスマルカ興国物語』本編12巻+番外編2冊の計14冊、これにて完結。足掛け7年3ヶ月。これまでの林トモアキさんワールドからは大きく時代の離れた世界で独特のファンタジー世界を魅せてくれましたね。

暴力に頼らずに言葉だけで事態を解決させるというスタンスを貫くマヒロが大変良かったですねぇ。中盤、登場人物が増えて普通の戦闘シーンが増えてダレてしまった部分がないではないが……。
と言いながらも、一番記憶に残っているのはやはりゼンラーマンなんだよなぁw

次は2016年2月に新作『ヒマワリ』、7月にその2巻、12月に3巻、2017年5月に4巻、11月に5巻、2018年5月に6巻、12月に7巻、2019年9月に8巻。

燃:A- 萌:B 笑:A- 総:A+

シリーズリンク
ミスマルカ興国物語ⅩⅠ(2014/01)
ミスマルカ興国しない物語 ~ミッション・シャルロッテ~(2015/04)

世界観リンク
ヒマワリ:unUtopial World 1巻(2016/02)

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ミスマルカ興国物語 XII (角川スニーカー文庫)

角川スニーカー文庫

Posted by お亀納豆