【ラノベ】BabelⅣ 言葉を乱せし旅の終わり【4巻/最終巻/感想/ネタバレ】
著:古宮 九時 イラスト:森沢 晴行
いつでも、どこにでも、可能性は残っている。
それを選び取るのは人の意志だ。
何かを貴いと思う心。
2021年7月の新刊。約1週間半の積み。7ヶ月振りの新刊。『UnnamedMemory』6巻からは3ヶ月振り。
さて、ファルサスに戻り、再びエリクと行動を共にすることになった雫。そんな折、七番目の魔女アヴィエラが全世界に向けて宣戦布告をブチかまして……。
生得言語の謎に迫りもするが、どちらかという魔女の陰謀に立ち向かっていく比重の方が大きいかなー。そこはエリクと二人っきりでじっくり謎を追っていく方が落ち着いて読めたように思う。
戦闘シーンは多分このシリーズに求められてないよねぇ。
雫は生命の大切さを理解しながらも、それよりも大切な精神の尊厳を守るために生命を賭していく。だからって傷つき過ぎなんだよなぁ。何やかんやで治るからって、古宮さん、やることがえげつねぇぞ……。
指を一気に斬り落とされるだけでもキツいのに、最後は超高所からの落下で全身バラバラってお前……想像させんなよ……(´;ω;`)
結局、雫は帰る手段を見付けた上で帰らないことを選び取った。家族には一通の手紙だけを送って。
どっちを選んでも何かしら切なさの残る結末ではあっただろうが、そうか残る方を選んだか……。
これ、会ったら泣いちゃうから別れの挨拶をしに来なかったオルティアが知ったらマジ切れされるのでは……w
雫はこの後、そう時間が経たない内にエリクと結婚した模様。良かったねぇ良かったねぇ。2人の甘々生活とか書き下ろしでありませんか。
総評
そんなわけで言葉にフィーチャーした電撃の新文芸『Babel』全4巻、これにて完結。電撃の新文芸だけだと1年1ヶ月。文章量にするとかなりのボリュームの筈なんだが、1年ちょっとで完結までいってるのね。まぁ完全書き下ろしではないわけだが……。
面白かった。が、ちょーっと俺の中でハードルを上げ過ぎてしまったかなぁという気持ちもある。
もっと言語の成り立ちとか、そういう部分にフィーチャーしていくのかと思ったらファルサスに到着してからはやや群像劇っぽい部分も出て来て、バトルシーンも増えていったのが誤算であった。
エリクと色んな土地を巡りながらまったり謎に迫っていってほしかったかな。雫がとにかく傷つき過ぎなんですよねぇ。もっと自分の身体を大事にしてええんやで……。
自分が何者かという悩みを異世界での旅を通して掴んでいった雫の成長譚としてはきちんと楽しめた。ほんとしっかりした娘さんである。
こちらで解明されなかった謎は『UnnamedMemory』と制作発表されたその続編で明かされるとか何とか。うーん、そちらにまで手を出すほどではないかなぁ。
燃:A- 萌:A 笑:A- 総:A+
シリーズリンク
・BabelⅢ 鳥籠より出ずる妖姫(2020/12)
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