作:椎橋 寛(しいばし・ひろし)
「全ての妖怪は、オレの後ろで百鬼夜行の群れとなれ」
ジャンプで好評連載中、アニメ化も決定した痛快妖怪任侠活劇。
研究室がジャンプを読める環境なので、『めだかボックス』だけ読んで、後は眺めるということを数ヶ月やっていたわけだが、その中で、この『ぬらりひょんの孫』と『バクマン』がやたら面白そうオーラを出していた。
そこで、誰か貸してくれる人が居ないか探していたところ、研究室の後輩が持っていたので借りてきました。
べ、別にアニメ化が決まったから読み始めたわけじゃないんだからね!二ヶ月くらい前から気になってたんだから!
要はヤクザの抗争をジャンプテイストに落とし込んで、妖怪で味付けしたような感じなんだが、妖怪を扱っているとなると、興味を惹かれざるを得ない。
百鬼夜行を率いるトップの妖怪がぬらりひょんってのがまた面白い。チョイスが変化球臭くて。
表紙を単独で飾っている主人公、奴良(ぬら)リクオは祖父に大妖怪ぬらりひょんを持つ、妖怪のクォーター。名前は「ぬらりひょんのクオーター」から来ているとか何とか。
小学生の頃は祖父のような妖怪になることを夢見ていたが、中学生となった今では普通の人間として生きていきたいと考えている。でも、奴良組本家の連中はリクオに三代目を継いでほしいと思っているというベタなアレ。
第一話ではリクオは小学三年生。このとき、初めて妖怪としての力を覚醒させ、一話の終りで一気に時間が経過し、中学一年生となる。
このパターンって、『ONE PIECE』や『ガン・ブレイズ・ウエスト』とかでもやってたけど、ある程度ジャンプテンプレートなんだろうか。
中学生となったリクオは眼鏡の似合う美少年となっているが、これはもう全国のお姉様方のハートを鷲掴みなキャラデザインですね。
リクオが三代目を継ぐことを嫌がっている連中が彼の生命を狙ってくる恐れがあるため、学校には護衛として、雪女(つらら)と青田坊(倉田)も登校してきている。つらら可愛いよつらら。
そして、当たり前のように関西弁の美少女陰陽師、花開院(けいかいん)ゆらが転校してくる、この安定感が堪らない。
これがラノベなら、いずれリクオの正体がばれて、妖怪は倒すべき存在→でも奴良君が好き!みたいな流れになるのは火を見るより明らかなのだが、果たしてジャンプでそんな展開になるのだろうか。まぁ、スパイス程度には、そういう展開になるのかもしれんけど。
通常は一般的な漫画の絵って感じなんだけど、時々水墨画っぽい画風になるのが凄ぇ格好良い。鳥山石燕とか参考にしてんだろうか。
取り敢えず塗仏とか出て来たら、テンション上がらざるを得ない。
巻末には赤マルジャンプに掲載された番外編も収録。リクオの学校をお供を誰にするか、という話だが、生変化チェック吹いたw
セクシー保険医、毛倡妓(けじょうろう)も大変良いものではあるが、やはりつらら可愛いよつららという結論に達するな。
カバー下にもおまけがあるけど、ジャンプコミックスで、ここにおまけがあるのって普通なの?
というわけで、一巻でした。これは期待以上の面白さでした。続きが楽しみである。
燃:A- 萌:A 笑:B+ 総:A