彩雲国物語 紫闇の玉座(上)
「旺季将軍、私は、女が官吏になってはいけない理由を、まだ知りません。官吏になっても」
「…………」
「私にこいとおっしゃるのは、劉輝陛下の一部をご自身で認めたということです。私が官吏になれたのは、陛下のたまもの。誰も疑いもしなかった男子専制を破って」
「未熟かもしれないし、今後どうなるかは陛下次第です。それでも私は、私という証を以て、紫劉輝陛下を選びます。━━あなたより、もっと先へ、進める可能性があると信じてる」
約5日の積み。1年2ヶ月振りの新刊。通算21冊目。
2ヶ月連続刊行で遂に完結ということで、約380ページというビーンズ文庫らしからぬ大ボリュームです。
まずは上巻ということで秀麗さん編。
いつもは適当にふざけてる著者紹介が糞真面目で、本当に完結するんだなぁと思わせられる。
とにかくページが惜しいのか、人物紹介が簡略化されました。大分思い切ったな……。
迅と楸瑛をトレードしようとする静蘭に吹いた。タンタン君と抱き合わせでもいい、じゃねーよw
この人も大概、着地点の分からない人だよなぁ。
ずっと旺季のターンかと思いきや、颯爽と馬で駆けつけて、彼の前に立つ秀麗さんかっけぇ。
秀麗さんは宣言する。旺季ではなく、劉輝を選ぶ、と。旺季が無意識に踏み込まずにいた国試の女人への解禁を為した劉輝を。
そうか、ずっと前に、それこそ物語の最初から勝利の鍵は示されていたんだな。
遂に彩八仙、最後の1人、碧仙が現れた。流石に、8人が一ヵ所に集合するってことはないのかな。
収束していく蝗害と、神器の破壊による地震。まさか、まだ英姫ばあちゃんに活躍の場があるとは……。
そして秀麗さんに残された時間は後1日。瑠花がくれた棺のお陰で、好きなときに、その1日を使うことが出来るとはいえ、あまりにも短過ぎる時間。
傍に居ながら、秀麗さんの願いを理解しているからこそ、止めることが出来ない燕青は辛いよなぁ。
ところでビーンズ文庫、いつの間にか紙質変わった?
次は2011年7月に最終巻『紫闇の玉座(下)』。物語の途中から登場した人がばっさばっさ死んでいってるけど、最終巻では果たして何人が死ぬのだろうか……。
聞いて驚け、後書きによると、最終巻は今回の約1.5倍の分量だそうです。つまり570ページということかw
でも、これで漬物石とか、ちゃんちゃらおかしいよね。少女小説としてはアレだが。『十二国記』でも、そこまでではなかった気がする。
また、限界までページを使ったため、人物紹介も後書きも無いらしい。いや、最後は後書けよ!w
いやしかし、そろそろアニメ3期をやっても良いと思うんだがなぁ。
燃:A 萌:B- 笑:B+ 総:S-
シリーズリンク
・彩雲国物語 蒼き迷宮の巫女(2010/04)
・彩雲国物語 紫闇の玉座(下)(2011/07)
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