灼眼のシャナSⅢ
「君が好きだ。世界を変えてやる、と思えるほどに」
2012年11月の新刊。約1週間半の積み。1年1ヶ月振りの新刊。『S』シリーズは実に4年5ヶ月振りか。
電撃は、アニメ化もして大人気になったシリーズの最後は短編集で締めることが多い気がする。
口絵には、海賊本だったかに掲載されたイラストショートショート『とある清秋祭前夜の一幕』を収録。
そのお陰で、口絵が大ボリュームに。
『ソロー』
書き下ろし。フリアグネと『大地の四神』がメインのガチ過去編。『発砲狂』誕生の経緯が判明したのは良かったけど、基本的には本編終盤のノリが駄目な人には駄目な内容。
何故、いきなり読者の心を折りにくる短編を配置したのか。
『ノーマッド』
映画館で販売されていた電撃劇場文庫収録の短編。本編『Ⅰ』と『Ⅱ』の出来事を描く。あの頃は良かった……と回顧してしまう短編だな……。
『ヴァージャー』
電撃文庫MAGAZINE増刊号掲載短編。フレイムヘイズとして独り立ちして間もない頃のシャナさんが使命を放り出して自分の願いに邁進するフレイムヘイズに出会うお話。
これもバトルに次ぐバトルで。
『フューチャー&ホープ』
電撃文庫MAGAZINE掲載。正真正銘、これが本当の最終章。こちらの世界に残った人々と『無何有鏡』に渡った人々、それぞれのその後を描く。
『ソロー』を雑誌掲載にして、これを書き下ろしにすべきじゃね?何を思って雑誌掲載にしたのだろうか……。
悠二の両親が、悠二を完全に忘れてしまったわけじゃないと判るシーンはちょっとウルウルくるから困る。
『狩人のフリアグネⅣ』
書き下ろし。えっ、これ要る?最後の余韻もへったくれもあったもんじゃないよなぁ。どうせガイド本出すんだから、そっちに収録すれば良かったのに。内容もガチの設定解説だし……。
総評
ってなわけで、ラノベ界に学園異能バトルの風を吹かせた電撃文庫『灼眼のシャナ』本編22巻、短編集『S』シリーズ全3巻、番外編『0』の計26冊、これにて完結。
足掛けジャスト10年か。
丁度、俺がラノベの読む量を増やし始めた頃にアニメ化が決まったんだったよなぁ。
惜しいのは、起承転結の「起承転」までしか楽しめなかったことだなぁ。「結」がもっと短い、若しくは、それまでの既存キャラに大きくウエイトを割いている内容だったら良かったんだけど。
いきなり大量にフレイムヘイズと徒が登場してバトられても……。
そこに辿り着くまでは本当に面白かった。燃えと萌えのバランスが絶妙で。シャナさん可愛いよシャナさんと何度思ったことか。
世界観としては、別キャラを主人公としての展開も出来そうだけど、どうするんだろうなぁ。
それこそユストゥスをメインキャラに据えてって展開は十分考えられるし。
来年に、のいぢさんの画集とガイド本を出して『シャナ』は完全終了。高橋さんは新シリーズを始めるみたいですね。
燃:B- 萌:A- 笑:C+ 総:A-
シリーズリンク
・灼眼のシャナXXⅡ(2011/10)
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