【小説】今昔百鬼拾遺 河童【感想/ネタバレ】
著:京極 夏彦
「お金もないし、蔑まれて苛められても生きてますよ。生きられますよ、人は」
角川文庫2019年5月の新刊。約1年3ヶ月1週間半の積み。『文庫版 虚実妖怪百物語 序/破/急』からは5ヶ月振り。
表紙はまたも妖怪の面を被った女子学生。『鬼』の表紙の娘さんとは別人なのかしら。と思って調べたら同じ人みたいですね。
掲載誌は『幽』と『怪』。
さて、今回は連続水死事件。河童の存在が見え隠れする奇怪な事件の裏を探るため、敦子は現地へと向かうが……。
おっと今回も美由紀さんの出番あるのか。事件の遭遇率高過ぎでは……?
若い女性を主要キャラに据えているのは新規読者に入り易くするという狙いがあったりするんだろうか。京極さんの作品でそんな小賢しいことやらないか……w
時系列は順番に『鬼』の後となるが、こんなことがあったと軽く触れられている程度でストーリーに連続性は一切無い。
なお、京極堂一行は今回も不在なのだが、どうやら未発表長編『鵺の碑』絡みで動いてるようだとかファンの間で考察されているよう。ほんとに出んのかな……w
今回は多々良先生も登場して大暴れ。この人、人生をめっちゃエンジョイしてそうで羨ましい。振り回される周囲の人はたまったもんじゃないだろうけど……w
河童の正体は背筋がゾッとするようなもので。そりゃ水中であんなもん見たらパニックになって自滅するのもやむを得なかろう。
ラストには今回も美由紀の説教が炸裂。え、そういうポジションになるの……?w
女学生にキレ気味にお説教されたいだけの人生だった……。
次は2019年12月に『角川文庫版 オジいサン』、2020年5月に『角川文庫版 厭な小説』。
燃:B 萌:A- 笑:A 総:A+
シリーズリンク
・今昔百鬼拾遺 鬼(講談社タイガ、2019/04)
・今昔百鬼拾遺 天狗(新潮文庫、2019/07)
合本版リンク
・文庫版 今昔百鬼拾遺 月(講談社文庫、2020/09)
著者リンク
・文庫版 虚実妖怪百物語 序/破/急(2018/12)
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