【ラノベ】高３で免許を取った。可愛くない後輩と夏旅するハメになった。【感想／ネタバレ】

著：裕時悠示　イラスト：成海七海

「『夏旅』なんだよ！ジャーニーなんだ！グレイテストジャーニー！今この時にしかできないジュアーア、ニィ～！わかるか！この違いが！わかるか!?」

ＧＡ文庫2022年４月の新刊。約１日の積み。『俺修羅』最終巻から僅か２ヶ月、裕時さんが予告通り新シリーズを始動。裕時さんの新作とあれば取り敢えず買うしかあるまい。
「羽目」を敢えて「ハメ」と片仮名で書くのはスケベではありませんか？大丈夫ですか？

主人公、沢北廉太郎は夏の北海道を車で旅するのが夢。念願の免許を取得して、夏休みを待っていたところ、何かと彼を目の敵にする後輩、鮎川あやりに見付かってしまって……。
ストーリーの都合上、主人公が若くして自立した生活を送っている作品は多いが、自動車免許を取得しているというケースはなかなかないように思う。取得可能になる高校３年生が主人公という状況がそもそも少ないかもしれんけど。
読者のニーズにマッチしていないという部分もあるのか。感情移入しやすい設定でないのは確かか。

で、廉太郎が何故夏旅に拘るのか、何故あやりは廉太郎を敵視するのかという２軸を中心にストーリーが展開していく。
廉太郎の拘り、周囲からは理解され難いだろうけど芯が通っていて気持ちが良いね。自分にとって大事な事とそうでない事が明確に線引きされているのが良い。
あやりの敵視というのが廉太郎の勘違いであることは読者には早々と種明かしされてしまい、後はまぁ甘酸っぱい展開が続くこと。ユー達、もう付き合っちゃいなＹＯ！というやつである。

廉太郎の友人として新横浜という少年が登場。兄がいると言っていたので、それが『２９とＪＫ』の新横浜なのかしら。
あれ、もしかしてあやりの銀髪設定って夏川の系譜だったりする……？

そんな具合で新作でした。このストーリーでこの先、急にドシリアスな展開に転がっていくということはない……よな？爽やかなまま駆け抜けるよな？
タイトルやストーリーの雰囲気からして、そう長く続けるつもりはないということなのかしら。３巻くらいでサクッと終わってしまいそうだけど。
前に本を出すのはこれでラストみたいなこと言ってたけど、本当に筆を折っちゃうんかな……。

燃：Ｃ　萌：Ａ　笑：B+　総：Ａ

著者リンク
・踊る星降るレネシクル（2010/04）
・俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる（2011/02）
・俺の彼女と幼なじみが修羅場すぎる 18巻（2022/02）
・小５な彼女とオトナの愛　＜１＞（漫画、2016/12）
・２９とＪＫ～業務命令で女子高生と付き合うハメになった～（2016/06）
・Ｓ級学園の自称「普通」、可愛すぎる彼女たちにグイグイ来られてバレバレです。（講談社ラノベ文庫、2022/08）
・99回断罪されたループ令嬢ですが今世は「超絶愛されモード」ですって!? ～真の力に目覚めて始まる100回目の人生～（DREノベルス、2022/10）
・彼女にしたい女子一位、の隣で見つけたあまりちゃん（スニーカー文庫、2024/05）