睦笠神社と神さまじゃない人たち

睦笠神社と神さまじゃない人たち (このライトノベルがすごい! 文庫)

著:深沢 仁(ふかさわ・じん) イラスト:Nardack

「いろいろ拾ってきて、すみません」

このライトノベルがすごい!文庫2013年8月の新刊。『R.I.P. 天使は鏡と弾丸を抱く』でデビューした深沢さんが『グッドナイト×レイヴン』から1年振りに送る新作。
献本を頂きました。有り難うございます。
タイトルの「睦笠」は「むつかさ」と読みます。

イラストはファミ通文庫『東雲侑子』シリーズや電撃文庫『失恋探偵ももせ』等、最近色んなところで見かけるNardackさん。
正直、イラスト目当てで欲しいと思ってました。このライトノベルがすごい!文庫には『紅炎のアシュカ』で登場済み。そういや、あれの続編出ないな……。

さて、舞台は、とある町にある睦笠神社。そこの神主の孫である主人公、冬基(とうき)は、ある日、不思議な鼬を拾う。鼬は妖の少女ライに姿を変えて……。

最近、流行りのやれやれ系主人公というわけではなく、落ち着いた雰囲気の冬基の振る舞いで、静謐な雰囲気が全体から漂っている。
そんな中で描かれる、ライ達妖との絡みがハートフルでなぁ。幼馴染みの綾乃がラブコメ的に良いスパイスになってる。
綾乃さん、口絵で思いっきり名前を誤字られてるじゃないですかー!やだー!

なので、中盤を過ぎた辺りから、シリアスな雰囲気に傾いていったのが惜しい。そこまで深刻にならない妖が巻き起こすトラブルを、冬基が何やかんやで解決しちゃうという連作短編みたいなノリで良かったのに。

これは今後に期待したいところだけど、前2作がいずれ単発で終わってるから、これも出ないかもしれんな……。若しくは、今更?と思うくらい時間が経ってから出るか。
ランクは期待ageにしておくから続き出ると良いなぁ。

燃:C 萌:A- 笑:C 総:A 

イラストリンク
東雲侑子は短編小説をあいしている(ファミ通文庫、2011/09)
紅炎のアシュカ(2012/12)
失恋探偵ももせ(電撃文庫、2013/04)
この恋と、その未来。 -一年目、春-(ファミ通文庫、2014/06)