東雲侑子は短編小説をあいしている
「三並くんはさ、自分が長編小説の主人公だって、思ってるようなところ、ない?」
「主人公……?自分が……?」
「あのね、誰しもそういうところがあると思うの。自分は凄く壮大な物語の主人公で、いろんな出来事に遭遇して、いろんな人と出会って、別れて、そうやって物語が展開していくものだって、小説で言えば、凄く分厚い大長編小説みたいに」
「私はそうじゃないと思う。人間ってとてもちっぽけで、小説にしてみればせいぜい原稿用紙50枚とか60枚とかの短編小説みたいな人生しか送れないんじゃないかって」
甘酸っぺぇええええええええええ!!
ファミ通文庫2011年9月の新刊。約3ヶ月1週間半の積み。森橋さんがファミ通文庫に4年7ヶ月振りに復活。よく復活したな……。
イラストはMF文庫J『彼女に耳としっぽがついてる理由を説明できない。』でお馴染みのNardackさん。
本作はFBonlineで連載されていたものに書き下ろしを加えて文庫化したもの。連載という時点で文庫化するのは判り切っていたので、当時はスルーしてました。
てっきり連載で完結してるものだとばかり思ってたんだけど、連載は中盤で終わってるのね。何と中途半端な……。
後は章毎に挿入されている劇中短編が書き下ろしか。
挿絵は連載の時点で既に何点かあったので、全部が描き下ろしというわけではない。
長文タイトルなのに、ここまで釣る気の無いタイトルも珍しい。俺はタイトル買い余裕でした(^q^)
主人公、英太は楽そうだからという理由で図書委員をやっている。彼はひょんなことから、同じ曜日が当番の少女、東雲侑子の書いた小説が文芸誌に載っていることを知ってしまい、取材協力として恋人の振りをする羽目に……というお話。
勿論、当然のごとく、東雲のことを好きになっちゃいます。そら、こんなベッタベタな王道シチュやったら惚れてまうわー。
王道過ぎて、終始ニヤニヤしっぱなしな俺。もげそう。
英太が悶々とするシーンは、もう何ていうか、ああぁああぁあああぁあああぁぁあああああああああ!!っていうね。
最後の告白のシーン、俺は関係無いのにDOKIDOKIしたわ。
昨今のラノベにしては珍しく主人公とヒロインが1対1の関係なんだよな。こういうのを青春小説と言うのだろうかね。
いや、何にしても東雲1人でMF文庫Jの中堅シリーズ5作分くらいのヒロインパワー有るけど。俺換算で。
いやぁ、これは良いニヤニヤ小説だったわ。スマッシュヒットですぞ。
次は2011年12月に2巻『東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる』。
燃:C 萌:A+ 笑:B 総:A+
シリーズリンク
・東雲侑子は恋愛小説をあいしはじめる(2011/12)
コミカライズリンク
・東雲侑子は短編小説をあいしている(2013/09)
著者リンク
・ぼくこい(角川スニーカー文庫、2010/05)
・この恋と、その未来。 -一年目、春-(ファミ通文庫、2014/06)
イラストリンク
・紅炎のアシュカ(このライトノベルがすごい!文庫、2012/12)
・失恋探偵ももせ(電撃文庫、2013/04)
・睦笠神社と神さまじゃない人たち(このライトノベルがすごい!文庫、2013/08)
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