リーディング・ブラッド 最強の血統
著:田尾 典丈 イラスト:梱枝 りこ
「今更だけど、紗優(さひろ)って相当ブラコンよね」
「本当に今更ですね。それにブラコンどころか、ラブ近(コン)。近親者ラブ」
ファミ通文庫2013年5月刊行物。約1週間半の積み。『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』でデビューした田尾さんのオリジナル第2作。ノベライズ『大図書館の羊飼い』2巻からは連続刊行。
流石に初版は押さえられなかった。まぁ、ふぁみ☆ぷちの応募券付いてたから良しとしよう。
イラストはMF文庫J『つきツキ!』なんかでお馴染みの梱枝さんか。
さて、『ギャルゲヱ』が面白かったから、次回作も注目だったんだけど、まさかのノベライズでなぁ。
で、いざ新作が動き出した頃にはモチベーションが下がっていた上に、粗筋だけを見ると、ごくごく普通のラブコメ異能バトルっぽくてスルーしちゃったんだよな。
で、つい最近ネットの評判を見たら気になってしまったという。
舞台は現代日本、鬼神(おにがみ)の封印の役目を担う相坐(あいざ)の分家に生まれた主人公、凪紗(なぎさ)は武士(もののふ)の血を次代に受け継がせる使命を持っている。
血が絶えれば、鬼神によって世界が滅びてしまうため、凪沙は早く恋人を作って、子供を成すように急かされていて……。
武士は自分の力を継ぐ子供を産める相手の瞳に適正者の紋章を見ることが出来る。逆に言えば、紋章の見えない相手とは添い遂げることが出来ないわけで、その辺が上手いことラブコメを回していくキーになっているわけか。
で、そのギミックの到達点として、未来でヒロインとの間に生まれるであろう子供を召喚するという、ぶっとんだ技が登場する。
組み合わせは無限大!って感じでゲームと相性良さそうだよな。
クライマックスは、この子供召喚シーンがメインなんだけど、喚び出した凪紗以外は( ゜д゜)ってなっていて、ちょっと笑える展開。
現状3人のヒロインは、まぁほどほどにテンプレートで。あ、口絵の破壊力は、なかなかのものでございました。
血統の話は競走馬の概念をベースにしてるらしいけど、血統血統言われると、個人的には『ドラゴンクエストモンスターズ』を思い出してしまうな。
現状、次に鬼神の封印が解けるのは80年後ということで、差し迫った危機があるわけではない。そのため、ゆる~くラブコメ進行することも可能であり、この辺の匙加減は上手いことしてあるなぁと。
気になるのは凪紗の悪友、佐藤室道の名前。佐藤って、やっぱり『ギャルゲヱ』の佐藤翔也と関係あるのだろうか。
そんな具合で新シリーズです。これはヒロインが増えるほど面白さが増しそうな気がするぜ……。
次は2013年7月にⅡ巻『月影の秘事』。
燃:A- 萌:A 笑:B+ 総:A
シリーズリンク
・リーディング・ブラッドⅡ 月影の秘事(2013/07)
著者リンク
・ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(2009/01)
・僕と彼女とカノジョとかのじょ <1>(オーバーラップ文庫、2013/11)
・コンプリート・ノービス01 レベル1の最強剣士(ファンタジア文庫、2013/12)
・虚構戦役の戦導師 英雄部隊覚醒(MF文庫J、2014/12)
・中古でも恋がしたい!(GA文庫、2015/03)
・七星のスバル(ガガガ文庫、2015/08)
・神器繰刻のアイオーン(オーバーラップ文庫、2015/11)
・駿英血統 神馬を継ぐ者(NOVEL 0、2016/10)
・プロデュース・オンライン 棒声優はネトゲで変わりたい。(ファンタジア文庫、2017/02)
・二周目勇者のやり直しライフ ~処刑された勇者(姉)ですが、今度は賢者の弟がいるので余裕です~(電撃の新文芸、2022/11)
イラストリンク
・銃皇無尽のファフニールⅠ ドラゴンズ・エデン(講談社ラノベ文庫、2013/07)
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