蒼井葉留の正しい日本語

蒼井葉留の正しい日本語 (ファンタジア文庫)

著:竹岡 葉月 イラスト:タケオカ ミホ

「いいですか、久坂君。日本語で『読書』とは、書物を読むことを指して言います。そして書物は言葉でできています。よって辞書を読むというのはまさしく!本の原液を愉しむことに他なりません。いうなればカルピス原液一気飲み」

ファンタジア文庫2014年5月の新刊。約2週間の積み。『おおコウスケよ、えらべないとはなさけない!』を2巻で終了させた竹岡さんが2年1ヶ月振りに復活。そんなにファンタジアでは沈黙してたのか……。

イラストは竹岡さんの実の姉であるタケオカミホさん。何故、今回だけ片仮名なのかはよく理解らない。
もしかして著者名との混同を避けるためかしら。
ファンタジアには『黄昏色の詠使い』で登場済みか。

さて、ラノベ作家ものとなれば買わないわけにはいかない(使命感)
主人公、久坂縁はラノベ作家を目指している少年。新生活に向けて学生寮、鳩居寮へと入った彼はやたらと日本語に拘る少女、蒼井葉留と出会うことに……。
やっぱりドラマガに載っていたのは文庫の冒頭部分だったのね。

縁が、葉留から自分の原稿に駄目出しされながら、デビューを目指して頑張っていく話かと思ったら、大人達も交えた愛憎劇だったでござるの巻。
粗筋で本編の重要な部分を殆ど説明してねぇw

1巻からいきなり脇役にスポットを当て過ぎな気がしないでもないかなぁ。縁と葉留の関係性の方に焦点を当ててほしかった。

イラストの所為もあるけど、ファミ通文庫『〝文学少女〟』シリーズのビタースウィートなノリを思い出したわ。
加えて、昔懐かし富士ミスのテイストな。

うーん、詰まらなかったわけじゃないけど、ラノベ作家ものとして期待していた分肩透かし感があってなぁ。
続きは出ても買わないな。

燃:C 萌:A- 笑:B- 総:A-

著者リンク
SH@PPLE -しゃっぷる-①(ファンタジア文庫、2008/03)
パナティーア異譚1 英雄のパンドラ(ファミ通文庫、2013/10)

イラストリンク
〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)