オタサーの姫と恋ができるわけがない。

オタサーの姫と恋ができるわけがない。 (ファンタジア文庫)
著:佐倉 唄 イラスト:あゆま 紗由

「むっ、ハイスクールD×D、面白いじゃないですか。俺はアーシア派です」

俺はロスヴァイセさん派です。
ファンタジア文庫2016年5月の新刊。約1日の積み。デビュー作『オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。』を3巻で完結させた佐倉さんが7ヶ月振りに復活して送る新シリーズ。

タイトルに釣られたのと、前作のふざけたタイトルの割にシリアスな作風が印象的だったので購入。
イラストのあゆまさんは成コミとか描いている人ですね。

昨今、何かと話題のオタサーの姫をテーマにしたラブコメ。ただし、メインターゲットの年齢を考慮してか、舞台は高校となっている。

主人公、神園心路(かみぞの・しんじ)は高校入学を機にオタ充を目指すことを決意。しかし、そんな折に再会したのは、かつて心路が振った幼馴染み、百合姫だった。彼女はいわゆるオタサーの姫と呼ばれる少女に成長していて……。

オタサーの姫という要素を徹底的にキャラクターに落とし込んだ所為か、メインヒロインである筈の百合姫が凄い気持ち悪いキャラになってるんですが……。人を選びそう。
俺は隠れオタやってるクラスメイトの継未の方が断然好み。

年上ヒロインをメインに据えてきたことは評価したいというか全裸でのたうち回るレベルで嬉しい反面、このキャラ造形はなぁ……。
それに何でラノベ作家なんて属性足したんだろう。キャラがブレかねないような。

一気にヒロインを4人も出すから、とっちらかってるのかな。最初は百合姫との関係性だけに絞った方が良かったかも。まぁ、悠長なことしてると2巻終了の憂き目にあうんだが。
イラストは流石、成コミ作家なだけあってBATSUGUNのクオリティなだけに勿体無い。

章の間に挟まってる、店舗別特典の書き下ろしペーパーに載ってそうなSSは一体何なのか……。
全体的にショートショートが連続する構成なら普通だろうけど、通常の分量の章の間にストーリーの展開を無視して入ってるから違和感が強い。

文章的に気になったことが2点。ダッシュ使い過ぎじゃね?流石に視界に何本も縦線が入ってくると、おいおい……と思う。
もう1つは時間経過を示すための三点リーダの多用。普通に改行すれば良いのでは……。いや、美少女ゲーム業界ではよく使うだろうけど……。

サブカルを扱っているので、実在する作品のタイトルが出るわ出るわ。『オタリア』だと全てボカしたタイトルになってるんだけど、使い分けの基準がいまいち判らん。

そんな感じで『冴えない彼女の育てかた』『おまえをオタクにしてやるから、俺をリア充にしてくれ!』のヒット以来、定期的に出てくるサブカルラブコメにまた1本新たな仲間が加わった。
でも、俺は続きが出てもスルーかなー。

燃:C 萌:A 笑:B+ 総:A-

著者リンク
オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。(2015/01)
オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。 <3>(2015/10)

イラストリンク
お前ら、おひとり様の俺のこと好きすぎだろ。(2018/08)