SとSの不埒な同盟

SとSの不埒な同盟  (ダッシュエックス文庫)
著:野村 美月 イラスト:ふゆの 春秋

「そう、わたしたちは理性の皮をかぶった変態で、誇り高い鑑賞部員よ」

ダッシュエックス文庫2015年7月の新刊。約10ヶ月2週間の積み。『親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰』からは8ヶ月振り。

『下読み男子と投稿女子』の後書きで、本作のことを懐かしい作品って言っていて、同人で発表したものだったりするのかと思っていたら、何とファミ通文庫『部活アンソロジー2「春」』に収録されている短編から膨らませたお話だそうです。

って、俺読んでる筈なんですが……。後書きの説明を読むまで、全く思い出さなかったぜ。
前に読んだときにも、美園さんが振られて可哀想って書いてるな……w
これもプロットを出し過ぎてファミ通文庫で処理出来なくなったシリーズなんだろうか。
強面の男子、真田大輝は想い人である美園さんを部室の窓から、こっそり鑑賞する日々。ある日、同じく窓の向こうの部室を同じく鑑賞する美少女、藍本ルチアと出会った大輝は2人で鑑賞部なる部活を発足させるが……。

お互いの恋を応援する内に結局……みたいなパターンかなーと思いながら読んでいたけど、ちょっと捻ってきてる。
連作短編集っぽくなっていて、話が進む度にヒロインが増えていって、ラノベらしいラブコメに仕上がっている。野村さん、切ない恋愛が大得意だけど、こういうコメディ寄りの話も面白いんだよなぁ。

窓子先輩、チョロいんだけど、描写が絶妙ですっげぇ可愛い。ただ、今の流れでいくと最終的にはルチアと結ばれてハッピーエンドになっちゃうんだろうなぁ……。

人間の身体って、サクランボの実を入れるところが9つもあるのかよ、分からねぇw
もうちょっとだけ続くって話だし、2巻で終わりかしら。
次は2015年10月に2巻。

燃:C 萌:A+ 笑:A- 総:A+

シリーズリンク
SとSの不埒な同盟 <2>(2015/10)

著者リンク
〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(ファミ通文庫、2012/02)
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 <6>(ファミ通文庫、2014/09)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~〈上〉(ファミ通文庫、2014/10)
下読み男子と投稿少女 ~優しい空が見た、内気な海の話。(ファミ通文庫、2015/06)
晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と(講談社タイガ、2015/10)
楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)
記憶書店うたかた堂の淡々(講談社タイガ、2020/07)
世々と海くんの図書館デート 恋するきつねは、さくらのバレエシューズをはいて、絵本をめくるのです。(青い鳥文庫、2020/10)
三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚(文春文庫、2020/12)
ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話(ソフトカバー、2020/12)