【ラノベ感想】キラプリおじさんと幼女先輩【1巻】
著:岩沢 藍(あい) イラスト:Mika Pikazo
好きでもないコーデを使ってクリアしても、それは『俺』がクリアしたことにはならない。
今着用しているこのコーデを捨てた瞬間、俺が俺じゃなくなってしまう。
自分の好きなコーデを身にまとい、最高のライブをする。
それが、キラプリなのだ。
たとえそれが、エキストラハードだとしても、だ。
禿げ上がるほど同意。
電撃文庫2017年3月の新刊。約1日の積み。第23回電撃小説大賞銀賞受賞作品。応募タイトルまま。
帯にはアニメ監督、佐藤竜雄さんからの推薦文が。
まさかアイカツおじさん、プリパラおじさんと幼女先輩を題材にしたラノベが刊行される日が来ようとは……。
俺は『アイカツ』や『プリパラ』は専門外だが、こんなん出されたらスルー出来ないでしょ……。
著者である岩沢さん自身もアイカツおじさんである模様。
女児向けアーケードゲーム「キラプリ」にドハマりしている高校生、黒崎翔吾は田舎でトッププレイヤーとして君臨している。しかし、ある日、そんな翔吾のハイスコアを塗り替える少女、千鶴が現れて……。
偶然だろうけど、「キラプリ」って『キラキラ☆プリキュアアラモード』の最初の略称じゃねーか。今は公式が『プリアラ』と言ったから、そっちに落ち着いたが。
帯ではラブコメであることがアピールされているが、どちらかというと真摯にゲームと向き合うスポ根に近い内容。
ゲームのプレイシーン描写が完全にスポ根のそれ。ただし、今後ラブコメに発展しそうな布石は色々用意されている。年上のお姉さんもいるのがポイント高い。
千鶴もロリヒロインというよりは戦友といった描写がなされている。あからさまなサービスシーンは無いと言って良い。
防犯ブザーを鳴らすこと「放つ」と表現するの格好良いw
「幼女先輩には絶対に失礼があってはならない」っていうパワーワード好き。
翔吾は「キラプリ」に対して情熱的で、かつ男らしい一面も併せ持つカッコメン。マジでキモオタだったらストーリーが成立しないから、そりゃそうだけどw
そんな彼の生き様を認めてくれた人々が、終盤助けてくれる展開がアツい。
やっぱり好きなものを好きとデカい声で言いたいよな。そこにはジャンルの違いなど無い筈なんだよなぁ。
孤独に「キラプリ」をプレイしていた翔吾は仲間を得て、一緒に映画を観に行く流れが何ともハートフル。
ちょっとずつ翔吾に心を開いていく千鶴の可愛さといったらない。
映画上映中にライトを振るってのは『プリキュア』のミラクルライトを意識してのことなのかな。
クライマックスで2人が絆を深めるシーンは涙無しには語れない感動巨編感に溢れている。なかなか周囲に理解してもらえない価値観を共有したからこそ生まれる絆って良いもんだな。
ポスト蒼山サグの誕生かと思ったが、どうもそういう感じではなかったな。ただし、実はスポ根、ようじょと自転車2人乗り、銀賞受賞と『ロウきゅーぶ!』との共通点は多い。
そんなわけで今後に超期待の新人が登場です。脇役達は殆ど目立ってないし、最低でも親との対立展開はあるだろうから、暫くはネタに困らなそう。是非続きを出してほしいものである。
翔吾のお母さんは、いすずさんと呼ばれていることから若くて美人なのではないかと想像するが……。
燃:A+ 萌:A+ 笑:A 総:S-
シリーズリンク
・キラプリおじさんと幼女先輩②(2017/08)
イラストリンク
・アイサレワールド I really, truly surrender to you. 冬美原久真部の解決日誌1(HJノベルス、2015/08)
・物理的に孤立している俺の高校生活(ガガガ文庫、2017/02)
・美少女作家と目指すミリオンセラアアアアアアアアッ!!(スニーカー文庫、2017/07)
・カネは敗者のまわりもの(ファンタジア文庫、2018/01)
電撃小説大賞銀賞リンク
・ロウきゅーぶ!(第15回、2009/02)
・アンチリテラルの数秘術師(第17回、2010/02)
・ご主人さん&メイドさま 父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります(第17回、2010/02)
・はたらく魔王さま!(第17回、2011/02)
・勇者には勝てない(第18回、2012/02)
・塔京ソウルウィザーズ(第19回、2013/02)
・思春期ボーイズ×ガールズ戦争(第20回、2014/02)
・インフルエンス・インシデント Case:01 男の娘配信者・神村まゆの場合(第27回、2021/03)
キラプリおじさんと幼女先輩 (電撃文庫) | |
岩沢 藍 Mika Pikazo
KADOKAWA 2017-03-10 |
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