【小説】悪夢の観覧車【感想/ネタバレ】
著:木下 半太
「どんな時も、ロマンチックに生きろ」
2008年5月刊行物。約1週間半の積み。7ヶ月振りの新刊。単行本だと『悪夢のエレベーター』→『悪夢のドライブ』と刊行されているので、当然文庫でも同じ刊行順だろうと高を括っていたら、文庫版では間に書き下ろしの本作が挟まっていたでござる。どういうことなの……。
今回のワンシチュエーションは観覧車。ジャックされた大観覧車に仕掛けられた爆弾。キャビンの中に閉じ込められた人々は色々と訳ありで……。
今回も観覧車とその周辺、後は回想シーンのみで構成されている。
開幕早々、牛島とか私は無敵とか妙に『仮面ライダーリバイス』みのある要素が出て来て、おんやぁ?となる。当然、こちらの方が世に出たのは先なので、ただの偶然の一致なんだろうか。
中盤までは『エレベーター』に続いて脛に傷を持つ人達の群像劇なんだろうなと思っていたんだけど、赤松兄弟の回想シーンに入ってからが辛くて辛くて……。
兄弟の弟しか現代パートに出て来ていない時点でおおよそ察せられるけど、直一郎……(´;ω;`)
兄弟の復讐こそ完遂させられたけど、救いが無さ過ぎるやんけ……。いや、復讐の達成こそが救いだったんか……。うぅっ、辛い……。
その一方で、実は妻が元暗殺者という牛島ファミリーにはハートフルな結末が。こちらも『エレベーター』のオチからあちゃ~となるオチを想像していたので、良い意味で裏切られましたね。
お母さんが子供達のことを「お主ら」って呼ぶのヘンテコで好き。
巻末には書き下ろしである旨と原稿枚数が記載されている。原稿の量なんて書いてあるの初めて見た気がする……。
燃:C 萌:A 笑:A 総:A+
シリーズリンク
・文庫版 悪夢のエレベーター(2007/10)
・文庫版 悪夢のドライブ(2008/10)
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