下ネタという概念が存在しない退屈な世界

下ネタという概念が存在しない退屈な世界 (ガガガ文庫) 

著:赤木 大空(ひろたか) イラスト:霜月 えいと

「で、できない……っ。僕の中で、アンナ先輩はまだ理想の先輩なんですっ!そんな相手に、僕の中に眠る穢れた知識を流し込むなんて……っ!」
「なに言ってんのよこの優柔不断!女なんてねえ、もっとえげつないものを体に入れたり出したりするようになるんだから、それくらい平気よ!」
「表現を慎めボケ!」

君は本当の健全を知る。

ガガガ文庫2012年7月の新刊。約2日の積み。第6回小学館ライトノベル大賞優秀賞受賞作。
タイトルだけでは買うほどではないかなーと思っていたんだけど、粗筋を見たら読んでみようという気分になったので。

表紙はヒロイン、華城綾女(かじょう・あやめ)先輩が全裸の上に制服のブレザーを羽織り、頭に女性用下着を被っているという、実に凛々しいお姿で。凄ぇ、圧倒的な肌色率の高さなのに、全然エロくねぇ!
店頭では表紙を表にしてレジに出して、「カバーは結構です(キリッ」と言うのが作法。

《公序良俗育成健康法》によって、卑猥な言葉を発することが禁止された世界。最底辺の学校から優良学校へと転入してきた主人公、奥間狸吉(たぬきち)は、生徒会に所属しながら、正体を隠して下ネタテロを繰り返す少女、華城綾女先輩と出会う。
弱みを握られた狸吉は先輩の下ネタテロに協力する羽目になり……というお話。

うん、まぁ、大体そういう内容。粗筋が本編に比べて、ちょっとハジけ気味だけど、基本的には下ネタを連呼しながら、現体制に反旗を翻す感じで。

この世界では、下ネタが規制されているために、愛という感情を歪ませている子供達が多いという設定があったりと、一見、しょうもないネタ小説に見えるけど、根幹にあるものは割と真面目だったり。
そう、この作品はすぐに何でも規制したがる現代社会に対するアンチテーゼなんだよ!
※アンチテーゼの意味をよく理解らず使ってます。

これ、シリーズ化出来るのかなぁ。するなら、下ネタをどんどんエスカレートさせる道しかないと思うんだけど……。

燃:C 萌:C+ 笑:A- 総:A

シリーズリンク
下ネタという概念が存在しない退屈な世界 <2>(2012/11)

アニメリンク
下ネタという概念が存在しない退屈な世界 第1話「公序良俗は誰がために」

イラストリンク
星降る夜は社畜を殴れ(スニーカー文庫、2014/08)
女騎士さん、ジャスコ行こうよ(MF文庫J、2014/09)
姫騎士はオークにつかまりました。(ファンタジア文庫、2016/02)

第6回小学館ライトノベル大賞リンク
俺、ツインテールになります。(審査員特別賞、2012/06)

小学館ライトノベル大賞優秀賞リンク
今日もオカリナを吹く予定はない(第3回、2009/07)
弱キャラ友崎くん Lv.1(第10回、2016/05)
ドスケベ催眠術師の子(第17回、2023/08)

ガガガ文庫

Posted by お亀納豆