【映画】魔女見習いをさがして【感想/ネタバレ】

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『行こう!今、なりたい私に向かって!』

2020/11/13公開。本来は5/15公開予定だったが、コロナの煽りを受けて延期になっていた。東映さんとしてはテレビシリーズと連動していない分、まだマシだったのだろうか。

『おジャ魔女どれみ』20周年記念作品ということで、『無印』のリメイクや完全新作エピソードでも制作されるのかと思いきや、『どれみ』を見て育った女性達が出会って聖地を旅する内に自分のなりたいものを見付けていく……というなかなかの変化球を放ってきた形。

正直、そこまでモチベーションは高くなかったんだけど、変化球であることがはっきりしているだけに早く見ないとどこでネタバレを踏むか分かったものではないので……。

散々再アニメ化してほしいと言っていた主要キャストの皆さんはオファーを受けた時、どんな心境だったんだろうか。
というわけでメインターゲットは20代半ば前後の女性ということに。はわわわわ、若い女性ばっかりで完全にアウェーだよぅ……(´;ω;`)ってなるかと思ったけど、殆どおっさんで草。
公開2日目の朝一にしてパンフレットが売り切れていたので人入りは上々な様子。

子連れも何組か見掛けたがあれは親御さんが見たかったやつやろw
どう考えてもちびっこ向けの内容ではないので、途中でぐずりだす子も出る始末である。

監督は佐藤順一さんと鎌谷悠さんの連名。佐藤さんは『無印』の監督としてスーパーバイザー的な立ち位置で鎌谷さんが実働面の担当と予想。
鎌谷さんといえば伝説の『Go!プリンセスプリキュア』39話の演出を担当された方じゃないですか。監督を務めるのは本作が初かしら。

脚本に栗山緑さん、音楽に栗山緑さん、総作画監督に馬越嘉彦さんとレジェンドスタッフが大集合。何とも贅沢な話やでぇ。

開幕早々『無印』アバンのBGMをぶっ込んでくるのはズルいでしょうがよ。その後も懐かしのBGMが流れること流れること。全部原曲ママだったのかしら。
OPは『おジャ魔女カーニバル(魔女見習いをさがして Version)』と銘打ち、しっとりとした仕上がりに。CMで流れていたどれみ達が歌うバージョンは挿入歌として使用。

それぞれに悩みを抱える長瀬ソラ、吉月ミレ、川谷レイカは偶然MAHO堂のモチーフとなった場所で出会い、一緒に聖地巡礼をする仲に。
3人ともキャストは声優が本業じゃない人ばかりでちょっと不安だったが、最初からそんなに気にならなかったですね。
ソラははづきちゃんに、レイカはどれみのへちょけた声にちょっと似ているような気がする。

レミさんの美人っぷりがええですなぁ。ちょっとキツめの美人イイ……(しみじみ)
あらゆる物事に対してアグレッシブなのもすこ。目の前にこんな人がいたら絶対しどろもどろになるけど。

3人の中でリアタイ世代がレミさんだけってのがちょっと引っ掛かったかなぁ。ソラは最後だけリアタイで最初の方は後追い、レイカに至っては最初からリアタイ世代ではない。
ここは『おジャ魔女』を見て育った世代と謳ったにしては微妙かなーと。ある程度、未来への可能性を信じられる年齢にしたかったってことかもしれないけど。
なお、チョイ役として、しれっと当時の脇役のキャスト達がぞろぞろ参加していて吹く。

旅をする中で笑いあり涙あり、3人はお互いに影響を与え合いながら、自分の進むべき道を探っていく。
コミカルな時はとことんコミカルに振っているのは『『おジャ魔女』』のテイストを意識してかなぁ。無限顔すなw
辞表を突っ込んだ湯飲みをお出しするエクストリーム辞職は流石に草。

シリアス方面も突っ切っていて、なかなかに重たい。何でもかんでもハッピーラッキーじゃねぇんだぞというビターな味わい。
この辺は『おジャ魔女どれみ16』でも突き付けられた部分ですね。

『おジャ魔女』には男性もファンも結構いるという部分がフォローされていたのは良かったな。俺達の救い……と思ったけど、それは小さい頃に見ていた層のことであって『無印』が始まった頃に既に中学生になっていた俺は含まれてないだろうと気付いて泣いてる。
やっぱり男の人はおんぷちゃんが好きなんですか?じゃねーよ。

SNSマナーはちょっとアレだけど、実際にリアルで交流すると凄く良い人って話は昨今のSNSでのコミュニケーション問題にもちょっと切り込んでるのかな。

キービジュアルの魔女見習いのシルエットがどれみ達の人数と合わないなとは思っていたが、ソラ達を含めた数だったのか。
なりたい自分になるっていうテーマはいかにも当世風という感じがして良いね。

EDはおんぷちゃんが歌う『終わらない物語(魔女見習いをさがしてVersion)』。挿入歌から持ってきたか、成程な~。この映画のラストを飾るのに相応しい曲ですよね。
EDの後にキットカットとのコラボ企画のコーナーがあったんだけど、これはEDの中でやるべきだったのでは……。取って付けた感が凄かった。あれか、キャンペーンが9月頃にやっていたってことは延期後に決まったもので既に本編は完成し切っていたってことなのかね。

そんな具合で『魔女見習いをさがして』でした。単発映画としては素直に楽しめる出来でした。ただ、20周年記念と銘打つなら変化球ではなく、ドストレートの高校生編とかの新作エピソードの方が良かったんではなかろうか。

主要キャストは集合出来る状況にあるんだしなぁ。それに宣伝ポスター等の中にはどれみ達が大きく描かれているものもあり、いかにも彼女達が主役ですよという見せ方をしているものがあるのが気になる。
事前に情報収集している人はどれみ達はあくまでもアニメの中のキャラクターとしてしか登場しないっぽいことが察せられるだろうけど、当時の視聴者がたまたまこの映画を知って観に来ただけだとずっこけるのでは……。

やっぱり東映さんとしては集客可能な層を縦に伸ばしたいんかな。本作はその試金石になってるって感じだろうか。色々な方向性にチャレンジ出来るというのは良いことである。
『おジャ魔女』というコンテンツは流石にこれでラストかなー。それとも本作の売り上げ次第で次が開ける……か……?

燃:A- 萌:A+ 笑:A 総:A+

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Posted by お亀納豆