著:榊 一郎 イラスト:BLADE
「……その……千里様は……その……王子様です……私……の……」
「…………」
「…………」
「……も……勿論私は……お姫様って柄じゃないですけど……ないですけど……」
「でも……ずっと待ってて……嬉しくて……多分それは……私……千里様が……私の処に来て……私の中に入ってきて……私を……起こしてくださった……からで……」
2011年7月の新刊。約2ヶ月の積み。4ヶ月振りの新刊。
前巻の予告の時点では、「魔法少女と呼ぶんじゃねえッ!」だったが、王子様に変わったのか。まぁ、魔法少女では、あんまり最終巻っぽくないかもしれん。
口絵のパワードスーツの胸に描かれているクフィールの紋章がとても格好良い件。何か前にも書いた気がする。
さて、女神こと万尋との最終決戦。千里とクフィールのイチャイチャがえらいことになっていた件。
仲間達と合流して、戦いに赴くのはお約束だけど、まさか千里が分裂するとはな……
戦いが終わったら元に戻るのかと思いきや、そのままどころか合計3人になってしまうという。
最終巻とはいえ、ボケるところはきっちりボケるのが『まかでみ』なわけで。
テジャス・サイクロンジョーカーVSウーラ・ラトラーターコンボとか。挿絵にダブルドライバーとオーズドライバーまで描かれている手の凝りよう。
ここにきて〈ワルプルギス〉と〈アイギス〉が出て来るなんて、燃えざるを得ない。
鈴果が振り回していた頃が懐かしいよな。
最後に〈混沌委員会〉が全員集合するところは燃えるざるを得ない。コーティとかイコノクラストとか大活躍で胸熱。
それに、始原的神魔創造者3人が協力して、事に臨むとか第1部から読んでる身としては感慨深いシーンも。
そして、まさかのクフィール孕ませエンドとかまぢ。エピローグで数年後の主人公達の姿が描かれて、主人公とヒロインの間に子供が生まれている、なんてシーンはちょくちょくあるけど、ガチで孕ませちゃうエンドはラノベでは珍しいのではないか。
果たして千里はそのままパパになるのだろうか。まさか堕ろすとは思えないけど、出産を魔法的に遅らせるとかは出来そうだ。
総評
ってなわけでファミ通文庫、これは実験だ!な『まかでみックス』全9冊でした。文庫1巻から数えると、足掛け3年2ヶ月。
『まかでみ』シリーズとしては通算25冊か。いつの間にか凄い量になったもんだな。
内容が安定し過ぎていて、あんまり書くことが無いのが困りもの。毎回、本編と全然関係無い次回予告が面白かったよな。
ブシドーとかタトバコンボとか。
作者が自ら出て来たり、〈混沌委員会〉という形でた作品のキャラを登場させたりと、実験的な試みが面白かったな。
たまに原作の内容に触れる発言とかあったし。
また、どっかで〈混沌委員会〉出て来ねぇかな。面子から零れた作品のキャラも出てほしいよな。
後書きによると、今後も『まかでみ』の流れを汲んだ作品は今後も書くそうな。それが12月に創刊される講談社ラノベ文庫のファーストラインナップにある『アウトブレイク・カンパニー』なんだろうか。
ってか、この世界観なら、いくらでもスピンオフ作れそうだよな。
次は2011年11月に新シリーズ『ATM』です。イラストは何とファンタジア文庫『ストレイト・ジャケット』の藤城陽さんだ!
燃:A+ 萌:A+ 笑:B+ 総:A+
シリーズリンク
・まかでみックス えいす 周防千里と呼ぶんじゃねえッ!(2011/03)
世界観リンク
・その男、魔法使い“A” <1>(2011/11)