著:夏 緑 イラスト:雪野 みなと
「いつかは乗り越えなくちゃいけないことだろ。なら、今乗り越えてしまおう。逃げてばかりで逃げることに慣れてしまったら、勇気の出し方を忘れてしまうぞ」
約2ヶ月2週間の積み。HJ文庫。MF文庫Jの『ぷいぷい!』でお馴染みの夏さんの新作。主人公の三四郎が趣味で小説を書いているということで購入。
私立芳草(ほうそう)学園には内部分裂により、2つの放送部がある。第二放送部部長である少女うらんにスカウトされてしまった三四郎は2つの放送部の対立に巻き込まれていく、というストーリー。
放送部の話だから芳草学園って安直過ぎる……。
中盤までの青春ラブコメ小説っぷりは実に良かった。自己満足でしかなかった自分の作品が周囲に認められていく様や、オーディオドラマ作成の下りはワクワクする。
キャラクター配置はMFテンプレート。ちょっとキャラが多過ぎる印象は受けるけど、ストーリーを展開させる上で最低限必要かなぁという気もする。
終盤は話にオチをつけるための処置とはいえ、何故かいきなり半オカルト展開に。伝説のDJとか幽霊とか要らんやろ……。普通にラブコメとして盛り上げてほしかったところ。若しくは青春小説テイストで。
夏さんはHJ文庫では創刊時に開始した『戦姫』シリーズ以外は単発で終わってるんだけど、これも単発終了かなぁ。2巻くらいまでは読もうかなと思うが。
燃:C 萌:B+ 笑:B 総:B+
著者リンク
・暗黒魔王なオレ様TUEEE!(このライトノベルがすごい!文庫、2013/11)