藍坂素敵な症候群
著:水瀬 葉月 イラスト:東条 さかな
それは彼女のためだけの症候群だ。いや、それは正確ではない。その意義も内容も原因も結果も、全てが彼女というただ一言で事足りる以上━━それは、彼女という存在そのものがその症候群を形容する概念となっているのと変わらない。
だから、その症候群を表すに最もふさわしい言葉は。
その素敵な病気に冠されるべき名前は。
そう、きっと━━
藍坂素敵な、症候群。
約五日の積み。電撃文庫。萌エグロ小説『C^3』でお馴染み水瀬さんの第四シリーズはフェチ系美少女学園ストーリー。『C^3』八巻からは隔月刊行。
イラストは富士見ミステリー文庫『SHI-NO』でお馴染みの東条さん。
タイトルの響きが実に良い。
スーパー変態大戦とか後書きに書いてあるけど、
まったくもって、いつも通りでした。
判ってたよ。こんだけ可愛く、萌え萌えな感じでパッケージングしといて、中身はグロ展開フィーバーなのなんて判り切ってたよ。
ただ、イラストが東条さんなので絵からは殆どエロさを感じない。
主人公、浩介が引っ越してきた街では《耽溺症候群(フィリア・シンドローム)》という特殊な病気が流行っていた。
これは何かを好きという気持ちがエスカレートすると発症する病気で、重度罹患すると、その欲求を満たすためには殺人さえも厭わなくなってしまう。
つまり好き放題にグロく出来るわけです。グロシーンが出て来たとき、案の定過ぎて笑ってもうたw
『C^3』の根幹には「呪い」というものがあるのに対して、こちらは「好きという気持ち」がある。
真逆と言っても良いものなのに、話の流れが概ね一緒な不思議。
いや、別に詰まらないわけじゃないんですよ。症候群の設定は面白いし、響きだけじゃなくて、ちゃんとタイトルの意味を最後に示したのも良かったし。
ただ問題なのは、俺が一番読みたいのは『ぼくと魔女式アポカリプス』の続きだということですね。
燃:B+ 萌:A- 笑:B- 総:A
シリーズリンク
・藍坂素敵な症候群 <2>(2010/05)
著者リンク
・C^3 -シーキューブ-Ⅷ(2009/11)
・C^3 -シーキューブ-Ⅸ(2010/03)
・鮎原夜波はよく濡れる(2013/09)
・課外活動サバイバルメソッド(2015/01)
イラストリンク
・消えちゃえばいいのに(ファンタジア文庫、2012/02)
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません