【小説】文庫版 虚言少年【感想】
著:京極 夏彦
そう、屁はおならというように、鳴るのである。
時に高らかに、時に厳かに、そして激しく滑稽に、屁は鳴り響く。
集英社文庫2014年9月の新刊。約4年5ヶ月1週間の積み。『南極。』からは2年9ヶ月振りとなる。
小説すばるにて連載。「馬鹿なことはオモシロい」という信条を持つ小学生男子三人組が繰り広げる日常を面白おかしく描く連作短編集。
よく見たら総扉のメッセージ、「団結よせ。」になってんじゃねーかw
本文読むまでは素で「団結せよ。」って読んでたわ……。
最初こそ随分と回りくどい一人称の語り口だなぁと思ったものの、一旦慣れてしまえば問題無く読むことが出来た。
描かれているエピソードは本当にくだらないものばかりなのだが、それを逐一何故面白いのかと登場人物達のキャラ性を交えながら解説されているのがテクニカルで良い。そうなんですよ、笑いって技巧的なものなんですよねぇ。
京野達彦は京極さんがモデルになっているんだろうか。オカルトに詳しいところなんかが京極堂に通じるところがあるように思うが……。
そもそも他のシリーズと世界観は繋がっているんだろうか。
学校で大便するのが危険とかいう風潮何なの?あの風潮、こんなに昔からあったのかよ……。アホちゃうか……。
しかし、ぶりぶり〇〇するという表現は好きなので、もっと使ってもらっても良い。
そしてカリカチュアライズされた架空の糞尿とかいうパワーワードほんとすこ。
ネタに出来る下ネタとそうでないものの境界線の話、実にためになる。これ、小学校の授業でやるべきだろと思うまである。
次は2016年12月に『文庫版 書楼弔堂 破曉』。
燃:C 萌:C 笑:A 総:A+
著者リンク
・文庫版 嗤う伊右衛門(角川文庫、2001/11)
・文庫版 巷説百物語(角川文庫、2003/06)
・文庫版 豆腐小僧双六道中ふりだし(角川文庫、2010/10)
・厭な小説 文庫版(祥伝社文庫、2012/09)
・角川文庫版 幽談(角川文庫、2013/12)
・分冊文庫版 ルー=ガルー 忌避すべき狼(上)(講談社文庫、2011/09)
・文庫版 オジいサン(中公文庫、2015/02)
・文庫版 書楼弔堂 破暁(集英社文庫、2016/12)
・文庫版 虚実妖怪百物語 序/破/急(角川文庫、2018/12)
・文庫版 ヒトでなし 金剛界の章(新潮文庫、2019/02)
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