下読み男子と投稿少女 ~優しい空が見た、内気な海の話。

下読み男子と投稿女子 -優しい空が見た、内気な海の話。 (ファミ通文庫)
著:野村 美月 イラスト:えいひ

「わたしに、ライトノベルの書きかたを教えてください」

ファミ通文庫2015年6月の新刊。約10ヶ月1週間の積み。『吸血鬼』4巻からは隔月刊行。
さて、また野村さんの単発作品シリーズです。今回はカバーの質感を通常のものとは変えており、大変手触り良く仕上がっている。

主人公の風谷青(かぜたに・あお)は親戚の伝手で小説の新人賞の下読みのバイトをする高校生。
そんな彼はある日、応募原稿の中にクラスメイトである氷ノ宮氷雪(ひのみや・ひゆき)が送ったものを見つけてしまったことから、彼女に小説執筆のアドバイスをすることに……。

もぉぉぉおおおおお、すぐ野村さんはこういう甘酸っぱい話書くんだからぁぁあああああああああ。でも、そういうの大好きです!有り難うございます有り難うございますビターンビターン!

まず氷ノ宮さんの名前のあまりの綺麗さにハッとさせられるよね。劇中では寒々しいとも言われているけど、青の名前と相俟って凄く綺麗。

で、この青と氷ノ宮さんの密かな喫茶店でのやりとりがこそばゆいんだよなぁ。シチュ萌えのパワーを感じざるを得ない。

主人公やヒロインがラノベ作家ってのは近年、ちょくちょく見かけるようにはなってきたけど、下読みという要素にフィーチャーした作品は初めて見たな。これは野村さんの実体験がベースになっているそうで。

ストーリー展開の都合上、フォントサイズがいじられている場面がある。普段、そういうことを殆どしないイメージがあるので、ページをめくった瞬間、ビクッてなったw

そんな具合で破壊力BATSUGUNの単発ものでした。こういう方向性ならどんどん出してくれて良いのよ。

次は2015年8月に『吸血鬼』5巻、9月に『ドレ僕』8巻、11月に新シリーズ『楽園への清く正しき道程』1巻、2016年1月に2巻、5月に3巻。

燃:C 萌:A+ 笑:B+ 総:A+

著者リンク
〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(ファミ通文庫、2012/02)
ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 <6>(ファミ通文庫、2014/09)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる④(ファミ通文庫、2015/04)
吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる⑤(ファミ通文庫、2015/08)

陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~〈上〉(ファミ通文庫、2014/10)
SとSの不埒な同盟(ダッシュエックス文庫、2015/07)
晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と(講談社タイガ、2015/10)
楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)
記憶書店うたかた堂の淡々(講談社タイガ、2020/07)
世々と海くんの図書館デート 恋するきつねは、さくらのバレエシューズをはいて、絵本をめくるのです。(青い鳥文庫、2020/10)
三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚(文春文庫、2020/12)
ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話(ソフトカバー、2020/12)

ファミ通文庫

Posted by お亀納豆