電撃文庫

パラサイトムーン〈3〉百年画廊 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

「ね━━こういう風に触りたいとか、思わない?
それとも、嫌われるのが怖い?」
「━━その心配なら、ないと思うよ。
私は心弥ちゃんのこと、もう嫌いになれないくらい大好きだから」

うわぁあああぁあああああああ。
2001年11月刊行物。3ヶ月振りの新刊。読むのは恐らく3回目。
表紙は弓、冬華ときて、グランレイスの恋人リセル。
キャラが増えてきたためか、口絵ピンナップの裏面は人物相関図となっている。
今巻から何故か、挿絵が消滅。今回は口絵と扉絵のみ。

さて、今回ピックアップされるのは『虹の屍・オルタフ』。再び迷宮神群を巡る人々の思惑に巻き込まれる心弥と弓。そして傷心の冬華……というお話。
冬華のアフターケア、ちゃんとあったな。俺が記憶から抹消していただけだったみたい。

一部は『Ⅱ』の時系列と重複している部分があり、冬華の視点で描かれていたシーンが今回は心弥の視点で描かれている。
ここで気になるのは点心華心を訪れた女子高生らしき3人の少女。ただのモブだと思うけど、もしかして今後登場するキャラだったりしないかな……と淡い期待を抱いてみる。

面白いのは、他のエピソードと密接に絡み合っているところだよな。『Ⅱ』の裏で動いていた人物をフォローしつつも、ちゃっかり次の甲院編へのネタをばら撒いていってる。

今回、地味に目立ってる文槻香夜子先生は、親戚が『ストレンジムーン』に登場するみたいですね。

弓が囚われることになった虫籠を作ったマリアンヌは彼女自身も異能者だったそうで。こちらの世界で、そういう話が出るということは、マリアンヌは『輪環の魔導師』の世界から、こちらへ渡って来たってことなのかな。

夢路の前にシャパニアの宿主だったって人物も気になるけど、今巻で何よりも気になるのは、かつてオルタフを利用しようと、リセルの一族を追った人物ブロスペクト。
寿命で亡くなったような書かれ方をしているが、今度『ストレンジムーン』で登場するみたいなんだよな。

ってことはオルタフ繋がりで、心弥や弓にも登場ワンチャンあるかな?
うぉぉおおおおおおおお、テンション上がってきたぜぇえええええええええええええええ!!
くっそー、10年以上も前のシリーズなのに、今読んでも凄ぇ面白いな!

後書きによると、当時は『Ⅱ』の分厚さでもギリギリだったらしい。今なら何の冗談かと思うところなんだがw

燃:A+ 萌:A 笑:B- 総:A+

シリーズリンク
パラサイトムーンⅡ 鼠達の狂宴(3回目、2001/08)
パラサイトムーンⅣ 甲院夜話(3回目、2002/08)

電撃文庫

パラサイトムーン〈2〉鼠達の狂宴 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

「毎度のことながら、あの顔で『趣味がケーキ造り』は詐欺だと思うんですがね……」

2001年8月刊行物。3ヶ月振りの新刊。読むのは多分3回目。
さて、主人公を売り出し中の女優、水本冬華(ふゆか)に交代しての第2巻。姉の事故死を契機に、冬華の周囲で始まる謎の人体液化現象。それは迷宮神群『黄昏の墓守・レブルバハト』を巡る争いの再会の合図で……というお話

最近、あんまり主人公が交代するラノベって見ない気がするな。
今、パッと思いつくのは電撃文庫『バッカーノ!』『ウィザーズ・ブレイン』、HJ文庫『カッティング』くらいかなぁ。
1巻のメインキャラ、心弥と弓は、ほんの少しだけの出番しかない。

時系列は多少1巻と被っており、今回のプロローグ→1巻→2巻となっている。そのため、1巻では籤方が冬華の姉、美春を斬った話がちょろっと出ている。

今回の主人公は迷宮神群に対して無知であるため、序盤はライトホラーな雰囲気。一方で夢路や詩乃は引き続き登場している。
夢路はいわば狂言回し的ポジションなのかな。

今巻から登場する星詠みのエスハ。良くも悪くも物語に影響を与えるキャラクターだけど、『輪環の魔導師』を読んだ後だと、今まで以上に面白がってやってるだけとしか思えなくなったな……。
こちらの世界では迷宮神群の命名はエスハがやってるらしいけど、黄昏の墓守みたいな別名は、どっから出て来てるんだろう。

後半では日本における嘆きの祭夏老の拠点、紅街中華街が戦いの場となる。新作『ストレンジムーン』でも舞台になるみたいだし、祭夏老登場ワンチャンないかな。こっちでは、ついぞ出て来ず終いじゃなかったっけ。

一連の事件を終えて、父と姉を、信頼出来ると思った紳士を喪った冬華。あれ、アフターケア無しに終了か。
確か、この後も冬華の出番って無かったよな?あったっけ。

後書きによると、どうも『Ⅲ』以降は売上が良かったから出たみたいだな。

燃:A 萌:A 笑:C 総:A+

シリーズリンク
パラサイトムーン 風見鳥の巣(3回目、2001/05)
パラサイトムーンⅢ 百年画廊(3回目、2001/11)

電撃文庫

パラサイトムーン―風見鳥の巣 (電撃文庫)
著:渡瀬 草一郎 イラスト:はぎや まさかげ

「馬鹿が。お前らが信仰してんのは神なんかじゃない。ただのよくわからん化物だ」

電撃文庫2001年5月の新刊。『陰陽ノ京』でデビューした渡瀬さんの2作目にして第2シリーズ。
今でこそ売れ線から外れたイラストを挿絵にラノベを書いてる渡瀬さんだけど、デビュー当時は、こういう萌え絵のシリーズもあったんですよという話で。

元々は友人Sから借りて読んだんだけど、ドハマりして自分で揃えたんだよな。今、改めて確認したら初版で吹いたけども。確か買ったの6巻くらいまで出てからなんだが……。

借りて1回、買って1回読んでる筈なので、多分今回は3回目。何で、積み本無視して再読してるかっつーと、2013年6月に続編と思しき『ストレンジムーン 宝石箱に映る月』が出るからです。

最初は新シリーズも迷宮神群関連作品で嬉しいな~って程度だったんだけど、詳細な粗筋を見たら、ガチで前作キャラも登場することが判明したので。

因果なもので、流石にもう出ないだろうと思って、倉庫に預けたらこれだよ。慌てて出庫手続きしましたよ。いや、逆に考えるんだ。倉庫に預けたらか続編が出たのだと。

さて、主人公、希崎心弥は人の感情が色で見える高校生。彼は夏休みに幼馴染みの少女、弓の初めての里帰りに付き合うことになるが、それは異形の存在、迷宮神群を巡る人々の思惑に巻き込まれるということで……。

驚くべきことに、直接本筋に関係無い固有名詞が恐ろしいほど出ている。ある程度、巻数を出す前提だったのかな。
キャラバンの幹部クラスの名前まで結構出てるしな。

中盤くらいまでは、心弥と弓が迷宮神群の存在を知らないので、一見ライトホラーみたいな雰囲気。
まぁ、戦闘が始まってからも造型がアレ過ぎてホラーだけどな。
全裸翅付き人間軍団VSゴキブリ怪人とか、ビックリするくらいアニメ化に不向きで吹くw
いや、当時はアニメ化なんて、ごくごく一部の作品だけの特権だったから、そこまで見据えてデザインしないだろうけどさ。

凄く捻くれて読むと、ある種、幼馴染み大勝利ものと見ることも出来て、そうするとラストの爽快感が尋常じゃない件。

そういうわけで迷宮神群ワールド1発目となる『風見鳥の巣』でした。この調子で『ストレンジムーン』発売までに6巻まで読んでしまいたいところだが……。

燃:A 萌:A 笑:C 総:A+

シリーズリンク
パラサイトムーンⅡ 鼠達の狂宴(3回目、2001/08)

アニメ,電撃文庫

「女の子が2段重ねで!2段重ねで!!」

何それ怖い。
さて、魔王城の隣に引っ越してきた謎の少女、鎌月鈴乃。それを知った恵美とちーちゃんは、それぞれ別の意味で穏やかでは居られなくて……。

相変わらず真奥達のストーキングを続ける恵美だけど、え、このアニメで透けブラサービスとか要る?それよりもっとタイトスカートの方にロックオンしろよ(ぉ

時を同じくして、何者かに襲撃される恵美。戦闘が割とガチアクションで困る。
やたら存在感の強いコンビニの店員は何なの?

あれ、ラブコメ色は強くないって話じゃなかった?割とガチでラブコメじゃね?ってか、ちーちゃん、テンパったとはいえ、真奥にグイグイ行き過ぎだろw

燃:A 萌:A 笑:B+ 総:A+

エピソードリンク
第6話「魔王、学校の階段を昇る」
第8話「勇者、修羅場に突入する」

アニメ,電撃文庫

「アンタ━━━━アタシの彼氏になってよ」

サブタイ長いなw
さて、諸事情あって、桐乃の恋人の振りをすることになった京介。嫌よ嫌よも好きの内というか何というか、ガチでイチャついてるようにしか見えないでござるなぁ。

後半は黒猫のサークルで夏コミに参加。黒猫ならぬ白猫の格好は、普段が露出を抑えた格好だからなのか、むやみやたらに破廉恥に感じてしまうから困る。
ってか、京介は黒猫の剥き出しの肩にナチュラルに手を置くとかまぢ。

EDは本編が食い込みましたが、歌うのは桐乃か。
そして現れる謎のイケメン。……イケメンか?
提供バックは、『ミニッツ』繋がりで、ゆーげんさん。

燃:C 萌:A+ 笑:B+ 総:A

エピソードリンク
第4話「俺の妹のライバルが来日するわけがない」
第6話「俺の妹が家に彼氏をつれてくるわけがない」

アニメ,コミカライズ,電撃文庫

「いやいやねーだろ。と、ミサカはミサカの素体のお子様センスに愕然とします」

サブタイの「絶対能力進化」は「レベル6シフト」と読みます。
さて、自分のクローンと対峙した美琴。思っていたイメージとは違うことに拍子抜けするが、計画の真相を知ったところから事態は急転する。

事前にコメディを挟んでいる分、余計にミサカが一方通行にフルボッコにされるシーンが辛い。
満を持しての登場となった一方通行は、もう悪役一直線ですね。

そしてミサカが殺される現場を目撃してしまった美琴は怒りに駆られて一方通行へ突撃していくのだった……。
EDはBGM+黒背景にテロップという簡素で悲壮感を煽る仕様。これは怖い。

今更気付いたんだけど、通常EDを歌ってるのってインデックスさんなんだな。

燃:A+ 萌:A 笑:B+ 総:A+

エピソードリンク
#4「妹達」
#6「あたし…みんなのこと見てるから」

アニメ,電撃文庫

「腸を旨いって言う悪魔達の気持ちが初めて理解ったよ」

原作2巻に突入……なのかな?
さて、人間の恐怖や絶望の感情から魔力を集める以外の方法を探す真奥達。そんな折、ちーちゃんの通う学校の七不思議に、その可能性を見出して……。

ルシフェルこと漆原にはパソコンとインターネット環境が与えられたけど、かなりの出費だったのでは……。

そして突如、真奥の前に現れた少女……というところで続く。
で、ED完成したぁあああああああああ!!前回変わらなかったから、駄目かと思ってたわ。
これまで使っていた1枚絵は大分おざなりな使い方されてたなw

燃:C+ 萌:A- 笑:B+ 総:A

エピソードリンク
第5話「魔王と勇者、笹塚を救う」
第7話「魔王、近所付き合いで家計を助けられる」

コミカライズ,電撃文庫

ストライク・ザ・ブラッド 1 (電撃コミックス)
作画:TATE 原作:三雲 岳斗 キャラクターデザイン:マニャ子

「今日、現時刻から正式にわたしが先輩のことを監視します!」

2012年12月の新刊。
アニメ化も決定した電撃文庫の人気シリーズが、コミカライズで登場。電撃大王で連載中。

電撃文庫MAGAZINEの出張版を読んだときから、薄々気付いてはいたけど、作画ェ……。
いや、ラノベのコミカライズとしては真ん中くらいではあるんだけども。

内容は素直に原作1巻をコミカライズしているかな。いっそ戦闘面の作画を捨てて、美少女に特化したら或いは……と思わないでもないが。

そろそろ2巻が出るけど、余裕で切りですね。

燃:B- 萌:B+ 笑:B- 総:B+

原作リンク
ストライク・ザ・ブラッド1 聖者の右腕(2011/05)

電撃文庫

ストライク・ザ・ブラッド 5 観測者たちの宴 (電撃文庫)

著:三雲 岳斗 イラスト:マニャ子

「本当にもういつもいつも心配させて……昨日だって……先輩が死んじゃうんじゃないかって、わたしがどれだけ不安だったか!」
「あ……ああ。悪い」
「本当にそう思ってるなら、わたしの目の届かないところで、変なことはしないでください!ちゃんとわたしの傍にいてください!」
「傍にいろって……花火大会が終わるまでってことか?」
「この先もずっとです!」

2012年10月の新刊。約6ヶ月3週間半の積み。4ヶ月振りの新刊。
さて、監獄結界解放編後半戦。解き放たれた魔導犯罪者達は、絃神島を跳梁跋扈する。一方、傷ついた古城達は劣勢に……。

前巻で思わせ振りにチラつかされた凪沙の中に居るらしい第四真祖、十二番目の眷獣、〝妖姫の蒼氷(アルレシヤ・グラキエス)〟。
その理由が今回、明らかになるのかと思いきや、特に、どうにもならなかった件。焦らすよね~。

絃神島全体の危機に、紗矢華さんも強力してくれるんだけど、相変わらずチョロチョロしいな!
加えて、ひもぱんの合理的な理由。挿絵があっても良かったのよ。
雪菜は雪菜で、あざとくナースコスで。可愛いから困る。

浅葱も巻き込まれることになり、古城は遂に彼女に第四真祖のことを話さなければならないと決断するが、これも先延ばしに。
眷獣を呼ぶ糧になりそうでならないな……。
というわけで、今回の餌食は優麻。目覚める眷獣は四番目〝甲殻の銀霧(ナトラ・シネレウス)〟。

今回で一応、監獄結界編は終わったんだけど、物凄い勢いで風呂敷が広がったな。そもそも魔族の存在する、この世界は正しい状態なのかなんて、一気に世界レベルの話になったし。

更に、監獄結界から脱出し切った絃神冥駕(めいが)。〝雪霞狼〟と対っぽい〝冥餓狼(めいがろう)〟の登場で、盛り上がって参りました。
アニメは1クールで、ここまでかなぁ。

次は2012年12月に『サイハテの聖衣』2巻、2013年2月に、こっちの6巻『錬金術師の帰還』、4月に7巻『焔光の夜伯』、7月に8巻『愚者と暴君』。

燃:A 萌:A 笑:B- 総:A+

シリーズリンク
ストライク・ザ・ブラッド4 蒼き魔女の迷宮(2012/06)
ストライク・ザ・ブラッド6 錬金術師の帰還(2013/02)

アニメ,コミカライズ,電撃文庫

「こんなに気色悪いお姉様は初めて見ますの……」

サブタイの「妹達」は「シスターズ」と読みます。
夏休み、やたらハシャぐ美琴にドン引きする黒子。いつもとは逆の構図が面白いな。

春上さんは、すっかり仲良しグループの一員といった扱いだな。まぁ、ガールズトークシーンの尺稼ぎとしては居た方が良いんだろうけど。

ちょろっと広域社会見学の話が出てるんだけど、これって『とある魔術の禁書目録』1期の映像ソフトの初回限定版の特典小説で語られたエピソードのことだよな。
もしかして今期でやるつもりなだろうか。

後半は暇を持て余した美琴が、ちびっこ達と遊んじゃう話。ゲコ太のバッジを付けていた幼女が、ちょっとびっくりするくらい俺の好みだった件。どうでも良いですね、そうですね。

美琴達が平和な日常を送る、その裏では着実に計画は進行していた。クローン技術によって生み出された美琴のクローン。
彼女の誕生を見届ける2人の女科学者。後輩らしき方は可愛いけど、この実験に参加している以上、中身はアレなんだろーなー。

ED後のエピローグが、これまた今後の展開を想像させる、えげつないものでなぁ。

燃:A 萌:A+ 笑:A- 総:A+

エピソードリンク
#3「超電磁砲量産計画」
#5「絶対能力進化計画」