【ラノベ】転生ごときで逃げられるとでも、兄さん?【1巻/感想/ネタバレ】
著:紙城 境介 イラスト:木鈴 カケル
こちとら監禁歴五年のベテラン様だ。
こんな場所━━自宅よりも簡単に出ていってやるよ。
ガチのサイコホラー。
MF文庫J2020年3月刊行物。約2週間の積み。なろう発の転生もの。刊行当時、おっ、異世界転生大喜利ちょっとおもろいやんと思った憶えはあるんだが、その時は手を出さずにいたのよ。
それが、絶賛ドハマり中のスニーカー文庫『継母の連れ子が元カノだった』の著者の作品だと知って慌てて買ってきましたよ、えぇ。
妹による5年間の監禁生活から逃げ出した主人公。その妹と共にトラックに撥ねられて、その生を終える筈だった彼は異世界へと転生。
妹のいない第2の人生を謳歌しようと意気込むも、そこにはいない筈の妹の気配が……。
はいはい、そうは言うてもちょっぴりお兄ちゃんへの愛が重たいだけでの可愛い妹ちゃんなんでしょ~~~~?拙者、騙されないでござるぞ~~~~~~~???と思うじゃん?
妹ちゃんはお兄ちゃんに色目を使うメスは誰であろうと易々と殺害しちゃう、完全にトんでる女の子だったのです。誰がそこまでしろと言った!!
自身の身体が欠損することを厭わず、まだ1歳児でしかない主人公を追い掛け回す執念が怖過ぎてないちゃった。人の形をしたクリーチャーじゃん。
これまたイラストが良い仕事し過ぎてるんですよね。本性現した妹ちゃんの笑顔の怖いこと怖いこと。
第1エピソードで妹ちゃんの転生体を殺すことには成功したが、どうやら妹ちゃんは死んでも転生出来るという確信がある様子。
第2エピソードではジャックという名の少年となった主人公が、二度と目の前で近しい人を失いたくないと強くなっていく様が描かれる。
この世界には七十二柱の精霊によって使うことが出来る精霊術というものが存在しており、ジャックが使えるのは精霊序列第六十五位〈尊き別離のアンドレアルフス〉の力。やだ、何それ格好良い……。
精霊術を応用した技にもそれぞれ厨二臭い名前が付いていてとても良い……。そういうのもっとちょうだい!
ヒヒイロカネの剣で強敵を撃破するジャック。しかしその裏には比べ物にならないほどの闇が潜んでいて……。
第2エピソードでは妹ちゃんの存在感が限りなく薄くなっていって、あ、妹ちゃんが全然出て来ない話もあるのかと思わせておいて、ページをめくった途端真っ黒な画を持ってくるのは心臓に悪いってば。不意打ちにも程がある。
建国神話の邪神討伐って話にちらっと触れてるが、これって最終的に妹ちゃんが邪神として転生してくるんじゃないの……。
そんな具合で思わぬ掘り出し物でした。これは続きもチェックしましょうね。
燃:A 萌:A 笑:B 総:A+
シリーズリンク
・転生ごときで逃げられるとでも、兄さん? 2巻(2021/08)
著者リンク
・継母の連れ子が元カノだった 昔の恋が終わってくれない(スニーカー文庫、2018/12)
・僕が答える君の謎解き 明神凛音は間違えない(星海社FICTIONS、2021/02)
・シャーロック+アカデミー Logic.1 犯罪王の孫、名探偵を論破する(MF文庫J、2023/06)
・Tier1姉妹 有名四姉妹は僕なしでは生きられない(スニーカー文庫、2024/11)
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