親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰
著:野村 美月 イラスト:河下 水希
「オレは冬川さんのことはなんとも思っていないし、たとえそうでなくても、友達の彼女をとろうなんて絶対にしない」
「それは、罪だ」
ダッシュエックス文庫2014年11月の新刊。約9ヶ月3週間半の積み。
ダッシュエックス文庫創刊ラインナップにファミ通文庫のトッププレイヤー野村さんが登場。
どうやらプロットを出し過ぎてファミ通文庫編集部が処理し切れなくなっていたところに声がかかったらしい。
イラストは『いちご100%』等でお馴染みの河下さん。この人の画風も相俟って、一昔前の青春小説みたいな雰囲気に仕上がってる。
親友の遥平に彼女が出来たことを祝福する主人公、弘凪。しかし、紹介された彼女は弘凪が以前から気になっていた少女で……。
いやぁ、よくぞここまでぶっちぎりで売れ線から外れたものを出してきたなぁ。野村さんのネームバリューとレーベル創刊というタイミングだからこそ出せるものなんだろうけど。
ラブコメなんてノリからは程遠く、青春小説といった様相。弘凪の苦悩、葛藤が詳細に描写されていく。
たまにはこういう不思議要素の一切無いものも良いですね。すっかり忘れた頃に集英社文庫から出たりしないのかしら。
次は2015年7月に『SとSの不埒な同盟』、10月に2巻。
燃:C 萌:A- 笑:C 総:A
シリーズリンク
・元カノが転校してきて気まずい小暮理知の、罠と恋。(ガガガ文庫、2021/03)
著者リンク
・〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
・ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(ファミ通文庫、2012/02)
・ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件 <6>(ファミ通文庫、2014/09)
・吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
・陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
・アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~〈上〉(2014/10)
・下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。(ファミ通文庫、2015/06)
・SとSの不埒な同盟(ダッシュエックス文庫、2015/07)
・晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と(講談社タイガ、2015/10)
・楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
・むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)
・記憶書店うたかた堂の淡々(講談社タイガ、2020/07)
・世々と海くんの図書館デート 恋するきつねは、さくらのバレエシューズをはいて、絵本をめくるのです。(青い鳥文庫、2020/10)
・三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚(文春文庫、2020/12)
・ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話(ソフトカバー、2020/12)
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