【ラノベ感想】追伸 ソラゴトに微笑んだ君へ【1巻】
著:田辺 屋敷 イラスト:美和野 らぐ
「あはは、塵芥さんってば、おもしろーい。掃除時間に焼却炉にでもぶち込まれればいいのに」
ファンタジア文庫2017年1月の新刊。約1日の積み。第29回ファンタジア大賞金賞及び審査員特別賞同時受賞作品。
応募タイトルは「だから少年は彼女を消すことにした」。粗筋が気なったので買いました。
主人公、篠山マサキは野球部を辞めて以来、空虚な日々を送っていた。そんな彼の前に突如現れたクラスメイト、風間ハルカ。クラスメイトとして、そんな女の子がいた記憶の無いマサキは彼女の正体を突き止めようとするが……。
ハルカと仮面恋人生活を送る間に、次々と不思議な現象に出くわすマサキ。やがて、それは不可解な文通との繋がりを見せていく。
ファンタジア大賞としては久し振りの路線なのではなかろうか。『ごめんねツーちゃん』なんかを思い出す。
というか、どっちかというと富士ミスのノリを感じるのでL文庫の方で出すべきだったのでは……。
うーん、詰まらないわけではないんだけど、現実が度々改変されるからマサキとハルカの認識にギャップがあるままで、そこがどうもノリ切れないんだよなー。
ハルカがもっと可愛く描写されていたら、感情移入出来たかとは思うんだが……。どうにも暴言が目立つというか。ぬいぐるみを隠しているところは可愛かったが、パンチ力不足か。
構成的な話をすると、それまでは終始マサキ視点だった物語が、終盤で急に他キャラの視点に切り替わるのが凄い違和感。
そこまで視点をキープしたなら、最後までそのまま貫いてほしかった……。
そんな感じで色々と惜しい新作でした。シリーズ化するようなものではないと思うが、次回作はどうするんだろう。
ただ、今のご時勢でもこういう系統の本を出してくれること自体は嬉しい。
燃:C 萌:A- 笑:B+ 総:A-
第29回ファンタジア大賞リンク
・通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?(大賞、2017/01)
・ぼくの日常が変態に侵蝕されてパンデミック!?(審査員特別賞、2017/04)
ファンタジア大賞金賞リンク
・中の下! ランク1.中の下と言われたオレ(第21回、2010/02)
・カナクのキセキ <1>(第22回、2011/01)
・勇者になれなかった俺はしぶしぶ就職を決意しました。(第23回、2012/01)
・勇者リンの伝説 Lv.1 この夏休みの宿題が終わったら、俺も、勇者になるんだ。(第24回、2013/01)
・女の子に夢を見てはいけません!(第26回冬期、2014/07)
・できそこないの魔獣錬磨師(第27回、2015/01)
・災厄戦線のオーバーロード(第27回、2015/01)
・非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが……(第28回、2016/01)
・お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか(第30回、2018/01)
・恋愛至上都市の双騎士(第30回、2018/01)
・ようこそ最強のはたらかない魔王軍へ! ~闇堕ちさせた姫騎士に魔王軍が掌握されました~(第32回、2020/04)
・魔女と始める神への復讐 進化の魔女と裏切られた少年(第33回、201/01)
ファンタジア大賞審査員特別賞リンク
・姫騎士はオークにつかまりました。(2016/02)
・気ままで可愛い病弱彼女の構いかた(2016/07)
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