【ラノベ感想】お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか【１巻】

著：はむばね　イラスト：sune

「ワンチャンいける……！」

ファンタジア文庫2018年１月の新刊。積んでない！どん！
第30回ファンタジア大賞金賞受賞作品。応募タイトルは「庄川さんは漏らしそう」。馬鹿な、２年連続で放尿系ヒロインの登場だと……ｺﾞｸﾘ
ならば買うしかあるまい。

はむばねさんは複数の賞を同時受賞しているが、実はこの人、既に１回、高校生のくらいの時にプロデビューしてるんだよなぁ。そこから細々と活動を続けてきて、今に至るという。
新人賞応募者の中に名前を見付けたときはビックリしたわ。

街を守る魔光少女まほろば☆マホマホの大ファンである主人公、平地護常（ひらち・もりつね）は偶然、その正体がクラスメイトの庄川さんであることを知ってしまう。
油断しまくりの庄川さんを正体バレから守ろうと決意する護常だったが……。

ファンタジア文庫の新人賞、定期的に魔法少女チックな要素を持つ作品を出してくるのは意図的なものなのか？
『これはゾンビですか？』『今すぐ辞めたいアルスマギカ』『俺の妹を世界一の魔砲神姫にする方法』等。

suneさんはＭＦ文庫Ｊで『可愛ければ変態でも好きになってくれますか？』のイラストも担当しているが、あちらにもＢＬ好きの腐女子が出て来るの運命的。

クラスメイトの里崎さんと空橋君を巻き込んで展開するすれ違い青春錯綜系ラブコメでした。
どっかで見たことあるなこのすれ違い……そうだね、同レーベルでアニメ化もされた『ゲーマーズ！』だね。

元々、応募原稿時にはすれ違いに脇役達は直接絡んでいなかったのが、改稿作業でこうなったということらしいので、ポスト『ゲーマーズ！』な作品にしたいという編集部の意向が透けて見えるような気がする。

順調に巻数を重ねられれば丁度『ゲーマーズ！』が完結する頃に、それなりの巻数になっているだろうしな。

そういうわけで、すれ違いラブコメが主軸であり、魔光少女としての活躍シーンは非常に少ないものとなっている。
そりゃそうか、そうでなかったら表紙の庄川さんが制服姿なわけないもんな……。
ただ出番が少ないとはいえ、魔法少女としてのコスチュームがちょっと露出度高過ぎてｺﾚｼﾞｬﾅｲ感ある。

魔法少女要素はお話を進めるためのマクガフィンでしかないわけですね。あっ、マクガフィンって言葉を使いたかっただけです。

期待していた放尿要素に関しては非常に薄かったので、その点は残念でしたね。おしっこと自分の秘密を漏らすという二重の意味にしたかっただけの模様。

昨今のラノベでは珍しいことではないとはいえ、劇中に無いサービスカットや出番の少ない美人キャラを口絵でアピールするのはいかがなものかと。
先生、完全に空気ですやんか……。

しかしながら、すれ違いながらもどこがどうすれ違っているかの理解り易さ、庄川さんの可愛さといったところは良かったと思うので、そこは２巻以降も貫いてほしい。
ギャグはもうちょっとエッジが利いていると嬉しいですね。ツッコミにややパワーが足りないかしら。

燃：B+　萌：Ａ　笑：A-　総：Ａ

シリーズリンク
・お助けキャラに彼女がいるわけないじゃないですか２巻（2018/05）

著者リンク
・世話好きで可愛いＪＫ３姉妹だったら、おうちで甘えてもいいですか？（ファンタジア文庫、2019/11）