虚構戦役の戦導師 英雄部隊覚醒
「2-B、出陣!シミュレーション・エントランス!」
MF文庫J2014年12月の新刊。約2週間半の積み。
ファミ通文庫でデビューして以来、色んなレーベルに顔を出している田尾さんがMF文庫Jに登場。
タイトルは「アンシュミレイテッド・インキュベーター クラスメイトかくせい」と読みます。読めるかw
表紙の構図はあまりラノベでは見ない気がするな。アニメOP映像のワンカットみたいだ。
当然、帯が付いてるんだけど、表紙と全く同じ絵がプリントされていて、普通そこに書かれるべき紹介文は裏表紙側に。よっぽどこの構図に拘りがあるのか……。
最近MFが大好きな美少女ファンタジー+流行りつつある教官ものだろ?ははっ、ワロスワロスと思っていたら、全然そんなことなかったんだぜ。
主人公、鷹司帝輝(たいき)は修学旅行中、クラスメイトと共に異世界へと飛ばされる。そこは慣れ親しんだゲーム『Legend of Ruinbringer』、通称『LoR』の世界だった。
帝輝は様々なジョブに就いたクラスメイト達を指揮し、現実世界への帰還を目指すが……。
多くの作品がRPGやらMMORPGの世界に入る中、本作はSRPGの中に入ることに。またセーブとロードという概念を持ち込んだことで上手く差別化している。
いや、この手の作品をそんなに数読んでるわけじゃないから、探せば色々あるかもしれんが。
ゲームシステムの説明をし過ぎることも戦闘描写に紙幅を割き過ぎることもなく、程良いバランスで成り立っていると感じる。俺にはこのくらいが丁度良いんだよな。
個性的な名前のキャラクターが多いのは僅かなシーンで各キャラの存在感を印象付けるためなのかしら。
そういえば、田尾さんのシリーズにはお約束の佐藤姓のキャラが居なかったな。
驚くべきはヒロインの攻略速度の速さ。開始時点で幼馴染みが攻略完了で、約300ページの間に更に3人のヒロインを攻略するという。
MFなら1人1冊くらいのペースでも許されるというのに……。これを密度の高い展開とみるか、1人1人のシナリオが弱いとみるべきか。
ラブコメ要素は実にオーソドックスなもの。
サービスシーンは非常に控えめ。立ち読みした人を狙い撃つために口絵では一応意識されてるけど。
1巻完結なのかと思うほどに展開が早く、1巻だけでゲームクリアまでいってしまった。2巻の発売は決まってるのにどうすんだと思ったら、普通に『2』の世界に移行したでござる。
これはゲーム世界に入る作品でも珍しいんじゃない?ってか、劇中で『8』まで出てるって明言されてるんだけど……。
そして帝輝達がこんな状況に陥った原因が、どう見ても田尾さんのデビュー作ファミ通文庫『ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!』に登場するフェアリーテールシステムなんだよなぁ。
確かに、あの設定は色々と応用が利くものではあるが……。その辺の関連にも注目したいですね。
これは予想外に面白いぞ。ちゃんと自分達が置かれている状況への疑問、そこから脱出するための模索等が描写されてるのが良い。凄い勢いで異世界を受け入れられちゃうと萎えるからな……。
田尾さんがそんな重苦しい結末を用意しているとも思えないけど、一体どうなることやら……。
次は2015年2月に2巻。
燃:A 萌:A 笑:B 総:A+
シリーズリンク
・虚構戦役の戦導師2 三英雄の革命戦争(2015/02)
著者リンク
・ギャルゲヱの世界よ、ようこそ!(ファミ通文庫、2009/01)
・リーディング・ブラッド 最強の血統(ファミ通文庫、2013/05)
・僕と彼女とカノジョとかのじょ <1>(オーバーラップ文庫、2013/11)
・コンプリート・ノービス01 レベル1の最強剣士(ファンタジア文庫、2013/12)
・中古でも恋がしたい!(GA文庫、2015/03)
・七星のスバル(ガガガ文庫、2015/08)
・神器繰刻のアイオーン(オーバーラップ文庫、2015/11)
・プロデュース・オンライン 棒声優はネトゲで変わりたい。(ファンタジア文庫、2017/02)
・二周目勇者のやり直しライフ ~処刑された勇者(姉)ですが、今度は賢者の弟がいるので余裕です~(電撃の新文芸、2022/11)
イラストリンク
・ごめんねツーちゃん -1/14569-(ファンタジア文庫、2011/03)
・ユート 拉致から始まる異世界軍師(このライトノベルがすごい!文庫、2014/06)
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