【ボーダー】記憶書店うたかた堂の淡々【感想/ネタバレ】
著:野村 美月 イラスト:本山 はな奈
「お前自身の喜びや誇りになるような仕事を、重ねていけ」
講談社タイガ2020年7月の新刊。約7日の積み。『ひまりさん』2巻からは4年3ヶ月振り。筆を折ったと思われていた野村さんが講談社タイガでも復活。
連作短編形式でないと体力的に書くのがしんどいらしいが、『ひまりさん』も長編形式ではなかったと思うし、あっちの続きを出すべきなのでは……。うるせぇ、こまけぇこたぁいいんだよ!
人の記憶の売買を生業とする青年、現野一夜(うつつの・いちや)。彼を利用した顧客達の様々な人生が描き出されていく。
あくまでも主体はほぼほぼ顧客側で、一夜が前に出張ってくることはない。彼自身にも何か秘密があるようだが……。
うーん、野村さん節が全開なのは大いに結構なんだが、書店か?タイトルからイメージしていたのは、こう、寂れた古書店に様々な事情を抱えたお客さんがやって来る、という導入から始まるハートフルストーリーみたいなやつなんだが……。
「淡々」という部分だけ忠実……w
なお、野村さんの著作であるファミ通文庫『吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる』よりビッグな女優になった乃木坂カレナさんがゲスト出演している。
あちらのシリーズの十数年後くらいかな?ゲストというには目立ち過ぎな気もするけども。
うーん、シリーズ化出来る余地は十分にあるが、1冊であっさり読めるからこその内容な気もするなー。このノリを何冊も続けられてもダレてしまうかもしれない……。
燃:C 萌:A- 笑:B+ 総:A
著者リンク
・〝葵〟 ヒカルが地球にいたころ……①(ファミ通文庫、2011/05)
・ドレスな僕がやんごとなき方々の家庭教師様な件(ファミ通文庫、2012/02)
・吸血鬼になったキミは永遠の愛をはじめる①(ファミ通文庫、2014/05)
・陸と千星 ~世界を配る少年と別荘の少女(ファミ通文庫、2014/06)
・アルジャン・カレール ~革命の英雄、或いは女王の菓子職人~〈上〉(ファミ通文庫、2014/10)
・親友の彼女を好きになった向井弘凪の、罪と罰(ダッシュエックス文庫、2014/11)
・下読み男子と投稿女子 ~優しい空が見た、内気な海の話。(ファミ通文庫、2015/06)
・SとSの不埒な同盟(ダッシュエックス文庫、2015/07)
・晴追町には、ひまりさんがいる。 はじまりの春は犬を連れた人妻と(講談社タイガ、2015/10)
・晴追町には、ひまりさんがいる。 恋と花火と図書館王子(講談社タイガ、2016/04)
・楽園への清く正しき道程 0番目は北国産のツンドラ王妃?(ファミ通文庫、2015/11)
・むすぶと本。 『外科室』の一途(ファミ通文庫、2020/06)
・世々と海くんの図書館デート 恋するきつねは、さくらのバレエシューズをはいて、絵本をめくるのです。(青い鳥文庫、2020/10)
・三途の川のおらんだ書房 迷える亡者と極楽への本棚(文春文庫、2020/12)
・ストーリーテラーのいる洋菓子店 月と私と甘い寓話(ソフトカバー、2020/12)
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