アイドライジング!
『今の時代のアイドルは、戦うものなのです。夢も未来も欲望も……望むものなにもかもをその手に掴むために!』
約2週間の積み。第17回電撃小説大賞金賞受賞作。タイトルの勢いが良いよね。
イラストはMF文庫J『この中に1人、妹がいる!』、ガガガ文庫『うちの魔女しりませんか?』などでお馴染み、更にファミ通文庫『ココロコネクト』のコミカライズも担当しているCUTEGさん。
図らずも今週、CUTEGさんがイラストを担当しているラノベ3冊目です。
表紙は帯を外せば、間違い無くぱんつが見えるであろう構図でありながら、見えません。絵師が女性だからかとも思ったんだけど、普通にエロ同人描いてるっぽいしなぁ。
時はアイドルが戦う時代。各企業の技術力を集めて造られたバトルドレスをその身にまとい、華やかに激突する美少女達。それこそがアイドライジング。
これは、とある目的のため、大金が必要になった女子高生アイザワ・モモがアイドライジングにデビューし、その頂点へと駆け上がっていくシンデレラストーリーである。
いやぁ、面白かった。アイドライジングのバトルシステムが絶妙に俺の中二スピリットを刺激しやがるぜ。
一度の試合で3回しか放てない共通技《アクセルスマッシュ》とバトルスーツ固有の特性、そしてそれらを組み合わせて発動させる固有必殺技。しかも発動の度に音声が流れるというギミックがツボ過ぎます。
モモのバトルスーツの特性がキャンセル系というのも、いかにも主人公っぽくて良い。
今回はモモの固有必殺技は使用されなかったけど、《アクセルスマッシュ》を貫通して、相手に届く攻撃とか、そんなんだろうか。
ノリがどうにも少女漫画っぽい気がするのは俺だけか?偏見かなぁ。いや、別に悪い意味で言ってるわけではないんですが。
ただ、ちょっと簡単に強敵に勝ち過ぎかなぁ、と。相手が凄い強い奴ってアピールされる割には、さくっと倒しちゃってると思う。
まぁ、その勝ちっぷりを楽しめば良いのだが。
一方、モモにデビューのチャンスを奪われる形となったもう1人のヒロイン、オリン。初登場時はすんげー嫌な奴って印象しかなかったんだけど、中盤から良い味出してくるんだよなぁ。
いずれ、モモと激突する日が来るんだろうけど、アツい戦いになりそうだぜ……。バトルスーツの特性も成長性が高そうだしな。
劇中漫画〈コハクのなゆた〉という作品が登場するが、「なゆた」と言えば、本作の3週間程前にファンタジアから出た新人賞受賞作品『ヘルカム!』のヒロイン、近村那由多を思い出すな。
同時期にこんな珍しい固有名詞が重複するというのは興味深い。
最後の挿絵に文章が入ってる演出は同期の『シロクロネクロ』と共通なんだけど、偶然か?
つーわけで、『アイドライジング!』でした。これは映像映えしそう。是非アニメ化してほしいな。
燃:A 萌:A 笑:B- 総:A+
シリーズリンク
・アイドライジング!②(2011/06)
コミカライズリンク
・アイドライジング! <01>(2013/05)
・アイドライジング!外伝 オリンライジング! <01>(2013/05)
著者リンク
・私とあなたの青春革命。(2012/07)
イラストリンク
・この中に1人、妹がいる!(MF文庫J、2010/08)
・うちの魔女しりませんか?(ガガガ文庫、2011/01)
・ココロコネクト <1>(ファミ通クリアコミックス、2011/05)
・彼女がフラグをおられたら 俺、この転校が終わったら、あの娘と結婚するんだ(講談社ラノベ文庫、2011/12)
・マジカル・デスゲーム1 少女は魔法で嘘をつく(ファンタジア文庫、2014/03)
・誉められて神軍1 新宿市国(講談社ラノベ文庫、2016/11)
・完璧美少女な天才ショタがダダ甘お姉ちゃんと業界仰天のゲームを創りながらゲーム作りの怖いお話を聞かされています!(講談社ラノベ文庫、2019/08)
第17回電撃小説大賞リンク
・シロクロネクロ(大賞、2011/02)
・青春ラリアット!!(金賞、2011/02)
・はたらく魔王さま!(銀賞、2011/02)
・アンチリテラルの数秘術師(銀賞、2011/02)
・雨の日のアイリス(4次選考、2011/05)
電撃小説大賞金賞リンク
・あなたの街の都市伝鬼!(第18回、2012/02)
・明日、ボクは死ぬ。キミは生き返る。(電撃文庫、2013/02)
・韻が織り成す召喚魔法 -バスタ・リリッカーズ-(第20回、2014/02)
・運命に愛されてごめんなさい。(第21回、2015/02)
・豚のレバーは加熱しろ(第26回、2020/03)
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