【ラノベ】魔王を斃した後の帰り道で【感想/ネタバレ】
著:榊 一郎 イラスト:芝
「またいつか、どこかで━━皆と集まって、旅の思い出を語れたら嬉しいかな」
ファンタジア文庫2024年10月の新刊。約3日の積み。『妖精狙撃』が単巻で打ち切られてしまった榊さんが5年2ヶ月振りにファンタジア文庫に登場。最近あまり本を出していなかったが、そんなにかよ……。
魔王は討滅された。王都への凱旋を向かう旅路の中で、勇者パーティーの面々はそれぞれ思いを残した地へと足を運んでいく。勇者ユーマは仲間達の全く知らなかった一面に気付いていって……。
いわゆる魔王が倒された後の世界を舞台としたアフターエピソード的作品。ある程度ジャンル化しつつあるんだろうけど、ぱっと見の雰囲気があまりにもスニーカー文庫『誰が勇者を殺したか』で引いちゃった。
流石に露骨過ぎるやろ……と思ったら、担当編集さんの指示なのか。青を基調としたイラストは美しいんだけどなぁ。
最初から単巻前提で構築されており、世界観設定等には紙幅を割いておらず、ひたすら勇者パーティーの面々の心情描写に重きが置かれている。全体的に榊さんお得意の説教が散りばめられていて読み心地が良い。仮面でも被り続ければ本物になるってずっと前から言ってなかったっけ。
特にいかつい僧侶グレアムの実直さがにじみ出ている苦悩エピソードが良かったですね。幸せになってほしい……。
結構シビアに人が死んでいく背景があったので、最後にユーマはひとりっきりでさすらうことになるんかなと思っていたら、救いがあって良かったよね。やっぱりハッピーエンドの方が気持ち良いもんねぇ。
燃:A- 萌:A- 笑:B+ 総:A+
著者リンク
・ザ・ジャグルⅠ 汝と共に平和のあらんことを(ハヤカワ文庫JA、2010/01)
・ミカヅチ(MF文庫J、2010/02)
・棺姫のチャイカⅠ(ファンタジア文庫、2010/12)
・ダブルバインド 黄昏に獣は踊る(C★NOVELSファンタジア、2011/09)
・その男、魔法使い“A” <1>(2011/11)
・アウトブレイク・カンパニー 萌える侵略者 1巻(講談社ラノベ文庫、2011/12)
・タタリ・ブレイカー弑子(HJ文庫、2012/04)
・神曲奏界ポリフォニカ エイフォニック・ソングバード(GA文庫、2012/05)
・アーク・ブラッド A.D.5000のアダム(C★NOVELSファンタジア、2012/09)
・フェアリィフィールド 妖精戦陣(朝日ノベルズ、2012/11)
・茉建寺エリノアの非主流科学研究室(2012/12)
・仮想天使は魔術を詠う(スマッシュ文庫、2013/03)
・蒼穹騎士 -ボーダー・フリークス-(ハヤカワ文庫JA、2013/06)
・ドラゴンズ・ウィル 完全版(富士見書房ソフトカバー、2013/09)
・機関鬼神アカツキ <1>(ファミ通文庫、2013/12)
・神鎧猟機ブリガンド(ダッシュエックス文庫、2014/11)
・熾天使空域 銀翼少女達の戦争(C★NOVELSファンタジア、2015/03)
・蒼鋼の冒涜者(HJ文庫、2015/05)
・カタナなでしこ(講談社タイガ、2016/01)
・ウィッチ・アームス 魔法少女は素敵なお仕事(ダッシュエックス文庫、2016/06)
・永き聖戦の後に ストレイ・シープ(スニーカー文庫、2016/11)
・パラミリタリ・カンパニー 萌える侵略者 1巻(講談社ラノベ文庫、2017/05)
・誰が為にケモノは生きたいといった(ファンタジア文庫、2018/02)
・Zの時間(HJ文庫、2018/04)
・終末のアダム(講談社ラノベ文庫、2018/10)
・嫁々いみぐれーしょん(講談社ラノベ文庫、2018/11)
・メイドな狐と監禁コン!(美少女文庫、2019/04)
・妖精狙撃(ファンタジア文庫、2019/08)
・いつか仮面を脱ぐ為に ~嗤う鬼神と夢見る奴隷~(スニーカー文庫、2019/09)
・竜姫のヴィオラ 生贄は最強の魔物と恋に落ちて(美少女文庫、2019/09)
・覇逆のドラグーン1 ~落伍竜機士は運命の姫と、暁の極光世界を翔け上がる~(HJ文庫、2019/10)
・奴隷志願なエルフさん ~お買い上げありがとうございます、ご主人様!~(美少女文庫、2020/01)
・引き籠もり魔王が奴隷エルフを買ったら(美少女文庫、2020/07)
・吸血姫譚アストリッド(美少女文庫、2020/11)
・おお魔王、死んでしまうとは何事か ~小役人、魔王復活の旅に出る~(講談社ラノベ文庫、2020/12)
・殺し屋志願の奴隷エルフさん(美少女文庫、2021/01)
・絶対魔剣の双戦舞曲1 ~暗殺貴族が奴隷令嬢を育成したら、魔術殺しの究極魔剣士に育ってしまったんだが~(HJ文庫、2022/07)
・聖戦勇戯 ~魔王が死んで100年後~ 1巻(漫画、2022/12)
・仁科くんの編集冒険記 ~ラノベはダンジョンで創られる~ vol.1(漫画、2023/09)
スポンサーリンク
ディスカッション
コメント一覧
まだ、コメントがありません