【ラノベ感想】アンチリテラルの数秘術師【1巻】

アンチリテラルの数秘術師(アルケニスト) (電撃文庫)
著:兎月 山羊(うづき・やぎ) イラスト:笹森 トモエ

「……雪名(せつな)。俺がお前を殺してやるよ」
「不老不死だから死ねないって、言ってたよな。なら俺は必ず見付けるよ。お前を死なせられる方法を。お前の不老不死を終わらせる方法を。お前が心の底から願うのなら、俺はどんな手段を使ってでもお前を必ず殺してやる。だから頼む━━━━殺してやるから生きろ」

約2週間半の積み。第17回電撃小説大賞銀賞受賞作品。タイトルの「数秘術師」は「アルケニスト」と読みます。何だか早口言葉みたいだ。

イラストは角川スニーカー文庫『菜々子さんの戯曲』でお馴染み、笹森トモエさん。いや、俺の記憶からは抜け落ちてましたけどね。

さて、5年前に東京内戦という事件が起こった世界。主人公、誠一は妹が怪人に攫われたことをきっかけに、数を操る者達の戦いに巻き込まれていく……というお話。

冒頭にデルタtの狭間とかラノベでは滅多に見ない言葉が出て来たから、ちょっと期待したんだけど、全体的にはごく普通のシリアス寄りの学園異能バトルという印象だった。
兎月さんがそもそも理系人間みたいなんだけど、どうせならもっとガガガ文庫『されど罪人は竜と踊る』みたいに、ガッチガチに理系要素を突っ込んだ方が良かった気がするなぁ。

理系バトルと言えば、同レーベル『ウィザーズ・ブレイン』がそうだった気がするけど、あれって、どれくらい理系要素入ってたかなぁ。読んだの5、6年前だから全然憶えてないや。

あと、ラブコメパートがとってつけたような感じというか。入れとかないと売上に響くから、取り敢えずテンプレートをそのまま使いました、という印象を受ける。

同期の『シロクロネクロ』『アイドラジング!』『青春ラリアット!!』が良作だっただけに辛いよなぁ。
折角、わざわざノンブルに特殊なフォントを使ったりして、演出を工夫してるのに勿体無い。

燃:B- 萌:C+ 笑:C 総:B

イラストリンク
脱衣伝(ガガガ文庫、2013/02)

第17回電撃小説大賞リンク
シロクロネクロ(大賞、2011/02)
アイドライジング!(金賞、2011/02)
青春ラリアット!!(金賞、2011/02)
はたらく魔王さま!(銀賞、2011/02)
雨の日のアイリス(4次選考、2011/05)

電撃小説大賞銀賞リンク
ご主人さん&メイドさま 父さん母さん、ウチのメイドは頭が高いと怒ります(第17回、2010/02)
はたらく魔王さま!(第17回、2011/02)
勇者には勝てない(第18回、2012/02)
塔京ソウルウィザーズ(第19回、2013/02)
思春期ボーイズ×ガールズ戦争(第20回、2014/02)
キラプリおじさんと幼女先輩(第23回、2017/03)
インフルエンス・インシデント Case:01 男の娘配信者・神村まゆの場合(第27回、2021/03)

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Posted by お亀納豆