「私は玉座が欲しかったわけじゃない」
2013年4月の新刊。約3日の積み。3ヶ月振りの新刊。下巻と同時発売。シリーズ通算6冊目。
『月の影 影の海』からの直接の続編となる。
さて、王にはなったものの、この世界について無知過ぎるため戸惑う陽子。
海客である辛さを景王に慰めてもらおうとする少女、鈴。
公主の立場を失い、嫉妬心から景王を弑しようとする少女、祥瓊(しょうけい)。
それぞれに悩みを抱える3人の少女達の物語が交差していく……というお話。
陽子は、ずっと慶に居るが、鈴と祥瓊が慶に向かって旅をしてくるので、その中で色々と世界の情勢が見えてくる。
延王は、やることが無くなったら雁を滅ぼしてしまうかもしれないとか言ってるけど、何かのフラグなんだろーか。ラスボス的な。
祥瓊の父を峯王に選んだ峯麟は2代続けてハズレ王を引いたらしいけど、王の選定基準って何なんだろうな。
麒麟には選択権が無いとか、よくよく考えると可哀想だな……。
更に、新しく実った峯麒の卵果は蝕で流されてしまったらしい。芳、完全に詰んでるじゃねーかw
祥瓊は一度、供王に保護されることになるが、この供王がドSロリババアでなぁ。時代が時代なら人気出そうだよな!(ぉ
供麒も登場済み。
恭を出た祥瓊は、シリーズ屈指の癒し成分、楽俊と出会うことに。楽俊、完全に巻き込まれ体質だな……。
祥瓊に窃盗の罪を被せられそうになっても全然怒らないとか、ぐう聖だな。
楽俊曰く、柳も傾きかけているということで、現状、ヤバい国多いな!判明しているだけで、巧、戴、柳、芳がヤバい。1/3がヤバい計算だけど、この世界にとっては普通のことなのかな。
戴は王が立ったものの、すぐに死亡してしまい、偽王が立っていることが判る。その辺の話は次の本編エピソード『黄昏の岸 曉の天』に繋がるところか。
ってか、楽俊って便利なキャラだな。世界情勢ペラペラ喋ってくれるから、直接ストーリーに絡んでこない国の様子も判るし。
鈴は、采王と采麟と会い、指針を示されることに。ボチボチ、各国の王と麒麟が出揃ってきた感じか。
後々、エピソードの主役を張る人達も居るから、憶えておかんとなぁ。
上巻である今回は、陽子と鈴が接触したところで終了している。さあ、盛り上がって参りました。
次は同時発売の下巻、2013年7月に未収録エピソード+書き下ろしを収録した短編集『不緒の鳥』。どういうタイミングで出るんだ……。
新作出ねーじゃねーか!って怒って、切る読者が、そろそろ出てしまうって判断なのかな。
燃:A 萌:B+ 笑:C+ 総:A+
シリーズリンク
・新潮文庫版 十二国記 東の海神 西の滄海(2013/01)
・新潮文庫版 十二国記 風の万里 黎明の空(下)(2013/04)