著:小野 不由美 イラスト:山田 章博
「もう……この世のどこにも、僕のいる場所はないんです」
新潮文庫2012年6月の新刊。アニメが終了し、原作の刊行も止まっていた『十二国記』が講談社文庫から新潮文庫へと移籍。新装版として復活を遂げた。
第1弾として、本作と『月の影 影の海』上下巻の計3冊が同時発売。
3年くらい前に雑誌に書き下ろし短編が掲載されたときは、まさかの復活?無い無いwと思っていたけど、まさか本当に再動するとはな……。
一応、新装版の後には書き下ろしの新作を出すと明言してるけど、一体いつになることやら……。
表紙と挿絵は新たに描き下ろしだそうで。装丁も一般文庫らしからぬ凝った作りとなっている。
よっしゃ、この機会に読み直そうぜ!と思って買っちゃいました。そんなことしてるから積み本が減らねーんだよ、バーカバーカ!
講談社ホワイトハート版と講談社文庫版は絶版してるのかしらん。
さて、「Episode0」という扱いの『魔性の子』です。最初は『十二国記』の外伝と知らず、後々存在を知って、読もうとは思っていたんだけど、そのまま放置していました。
帯には、はっきりと「Episode0」と書いてあるけど、文庫本体には裏表紙の折り返しにこっそりナンバリングが書いてあるだけ。
教育実習で母校へとやって来た青年、広瀬は受け持ったクラスで不思議な雰囲気の少年、高里と出会う。
関わると祟られるという噂のある高里と交流を深めていく広瀬だったが……というお話。
まだ『十二国記』というシリーズが始まっていない段階で、この内容を出すって、一体どういう発想なんだ……。
『十二国記』の概要を知っているかどうかで、見方が全然違ってくると思うんだが。
知らないと、どんどんエスカレートしていくホラー。知っていると、完全にファンタジーの外伝って扱いになっちゃうしな。
いや、どっちにしても面白いんだけど。
祟りのスケールが凄い勢いでスケールアップしていくのがZOKUZOKUする。最後の方なんか、関係無い人が巻き込まれるのお構いなしだからな……。
日本と十二国の時間の流れって同じなんだっけ。そうだとすると、泰麒は数年間、日本に戻ってきていたってことになるけど、戴国は大丈夫なのか……。
おおっと、こいつはテンション上がってきやがった!まぁ、次の巻読むのが年内かどうかも分からんけどな!
次は同時発売の『月の影 影の海』上下巻、2012年10月に『風の海 迷宮の岸』。
燃:A- 萌:C 笑:C 総:A+
シリーズリンク
・新潮文庫版 十二国記 月の影 影の海(上)(2012/06)