【ラノベ】神童勇者とメイドおねえさん【１巻／感想】

著：望公太　イラスト：ぴょん吉

「僕はもう勇者じゃないけれど、志ぐらいは勇者でありたいからな」

ＭＦ文庫Ｊ2019年２月の新刊。約１日の積み。あちこちのレーベルで本を出している望さんがＭＦに参戦。望さんの本なら買うしかないでしょ。
イラスト担当のぴょん吉さんは『僕の知らないラブコメ』でＭＦ登場済なのか。

神童と謳われた勇者シオンは激闘の果てに魔王を討伐した。しかし、その代償として呪いを受けた勇者を人々は忌み嫌い、追いやった。
人の訪れない森の奥で４人のメイドを静かに暮らしているシオンだったが……。

ＧＡ文庫『ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか？』のヒットで年上ヒロインいける！とふんだんだろうか。

帯や粗筋からは年上のメイドお姉さん４人とのラブラブ同居生活やオネショタ要素が物凄くアピールされているのだが、望さんがそんな素直な内容のもの出してくるわけないだろｗｗｗｗｗって思って読んだら、案の定素直じゃなかったｗ

年上メイドお姉さんはマジで出て来るが、そこが話の本筋ではない。魔王との戦いが終わった後、人類に壮大な掌返しを喰らったシオンの絶望と希望に焦点が当てられている。
戦いの後を描く、という意味ではＧＡ文庫『異界神姫との再契約』が近いか。あちらは２巻で敢え無く打ち切りになってしまったが……。

捻くれ具合は望さん作品の中では大人しい方かな。ただシオンに掛けられた呪い『真呼吸（ノーブレス）』のネーミングがめっちゃ香ばしくてZOKUZOKUする。
他者の生命を容赦無く吸収するというえげつない能力でありながら、noblesse（高貴なる）という言葉と掛かってるのが、シオンのキャラクター性と相俟って絶妙に良い味出してる。

アルシェラ達が魔族としての本性を露にするシーンの挿絵、迫力と禍々しさがあってめっちゃ格好良かったですね。

ＭＦというレーベルのカラー上、あまり持ち味を強く出していないのかもしれないけど、アクが無さ過ぎてシリーズとして続けていけるかちょっと不安でもある。
ラストも最近のラノベにしては珍しく、特に引きが無く単巻ものと言われても納得出来る終わり方になっている。

後書きからは２巻を出す意思を感じたが、どうやって話を続けるんだろうか。精神破綻者らしい、かつてのシオンのパーティーメンバーが順に登場するのかな。

そんな具合で新シリーズでした。望さん作品の入門にどうですか皆さん。

燃：Ａ　萌：Ａ　笑：Ａ　総：Ａ

シリーズリンク
・神童勇者とメイドおねえさん２巻（2019/07）

著者リンク
・僕はやっぱり気づかない（ＨＪ文庫、2011/08）
・HAPPY DEATH DAY 自殺屋ヨミジと殺人鬼ドリアン（ＧＡ文庫、2011/09）
・異能バトルは日常系のなかで（ＧＡ文庫、2012/06）
・ウチのクラスの頼りないラスボス（ＨＪ文庫、2013/01）
・黒き英雄の一撃無双１.受難の女騎士（ＨＪ文庫、2013/10）
・異界神姫との再契約Ⅰ 暴風再愛（2014/12）
・アイサレワールド I really, truly surrender to you. 冬美原久真部の解決日誌１（ＨＪノベルス、2015/08）
・最強喰いのダークヒーロー（ＧＡ文庫、2016/06）
・ラノベのプロ！年収2500万円のアニメ化ラノベ作家（ファンタジア文庫、2016/12）
・最悪探偵（NOVEL 0、2017/02）
・異世界テニス無双テニスプレイヤーとかいう謎の男がちょっと強すぎるんですけど！（ＧＡ文庫、2018/01）
・ちょっぴり年上でも彼女にしてくれますか？～好きになったＪＫは２７でした～（ＧＡ文庫、2018/05）
・性春デイズ～男子高校生の性の心理戦～（LINE文庫エッジ、2019/12）
・娘じゃなくて私が好きなの!?（電撃文庫、2019/12）
・きみって私のこと好きなんでしょ？とりあえずお試しで付き合ってみる？（ＧＡ文庫、2020/04）
・元カノとのじれったい偽装結婚（MF文庫Ｊ、2021/02）
・仕事帰り、独身の美人上司に頼まれて（スニーカー文庫、2023/06）
・小鳥遊ちゃんは打ち切り漫画を愛しすぎている（ＭＦ文庫Ｊ、2024/04）