著:師走 トオル イラスト:光崎 瑠衣
「仕方のないことだったんです。必要な犠牲だったんです」
約二ヶ月半週間の積み。五ヶ月振りの新刊。前巻の後書きでは、七月発売予定でタイトルは「双姫憂愁」の予定だった。
表紙はミレスデン王国の姫巫女システィナ。
さて、北から侵略を受け、共闘することになった王国軍と解放軍。今回は主に、チームを組んで敵軍を引っかき回すアレスとミーアにスポットが当たっている。
チートとチートが手を組んで、これで勝てない筈がない。というわけで、一騎当千の大活躍。もうこれは、アレス達のチートっぷりを楽しむ作品になってきてるよな。
このまま圧勝かと思われたVSミレスデン戦だが、向こうの姫巫女システィナが緑神アトラスから借り受けた力で召喚した巨人の登場により、戦局は一変する。何というチート合戦w
結局、意志の強い方が勝つという、まさかの少年漫画理論で巨人を撃破することに成功。アレスはやっちまってから、巨人を倒すこと=システィナを殺すことだったと知る。
表紙に出るくらいだから、準レギュラーくらいにはなるのかと思っていたが、あっさり一巻で退場とは。
ただ、アレスの中の正義の概念を揺らがせたので、非常に重要な役割を担ったとは言えるか。
巨人との戦いの中で、アレスは死を覚悟し、クラウディア様が嫁ぐところを見るくらいなら、いっそ……と考える。これはもしや男の浪漫、お姫様強奪フラグか?
とか何とか考えているうちに、ミーアのフラグは立つわ、シオーネのフラグが立っていたことが判明するわと、フラグ立てに関してもチート性能を発揮。どうなってんだw
ジェレイドは出番は少ないものの、彼の葛藤は読んでいて胃がキリキリしてくる。やっぱり最後は死んで、恋人の元へと向かうパターンかなぁ。
というわけで、更なる戦いの激化を予感させるな七巻でした。文庫で読むと面白いんだよなあ。連載で長編をやられると、二ヶ月に一回しか読まないから、内容忘れちゃって訳わかんなくなっちゃうからな……。
次は十一月なので、もう出てます。ドラマガ連載第三部を収録予定。連載分を収録するのに、本編を進ませようとするのが凄い。
仮タイトルは「孤城落日」ですが、実際には『孤影落日』。
旧ファンタジアフォーマットで発売された四巻までは、表紙イラストの構図を変えることで、新フォーマットに合わせたものに入れ替えられているが、その内訳は一巻から順に、アレス、ミーア、ジェレイド、アレスとなっている。既存のイラストを使うから仕方なかったんだろうけど、アレスの重複は避けてほしかったな……。
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