【ラノベ】母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ せめて息子のラブコメにまざらないでください【感想/ネタバレ】

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著:夏色 青空 イラスト:米白粕(こめしろかす)

「母さんがヌケてるんじゃないの。ヌケる小説を母さんが書いてるのよ」

ファンタジア文庫2021年1月の新刊。約1日の積み。第33回ファンタジア大賞銀賞受賞作品。応募タイトルは「母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ」。サブタイ付けなくても十分インパクトあると思うが……。
こんな出オチ感全開のタイトルで来られたら取り敢えず読んでみるしかないでしょw

『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』と『非オタの彼女が俺の持ってるエロゲに興味津々なんだが……』がジョグレス進化しとるやないか。
そのくせペンネームが爽やかなの腹立つw

さて、ラノベ作家を目指している主人公、霜村春馬の母、美礼(みれい)は20代にしか見えない超絶美女。そんな美礼が種付けプレスの筆名でエロラノベ大賞を受賞してしまった。
美礼は春馬に自分の代わりにデビューしてほしいとお願いしてきて……。

ジョグレス進化かと思ったら『俺が好きなのは妹だけど妹じゃない』まで混ざっていてハイパースピリットエボリューションだったわ(?)

基本的には春馬が業界の偉大なる大先輩達と出会い、何やかんやありながら切磋琢磨していく構成。
そこに同級生とのラブコメやら下ネタやらシリアス話やらがごちゃ混ぜにされていて、とにかく無軌道。こいつぁとんでもねぇ暴れ馬だぜ……!
ラブコメとしてはベッタベタでちょっとテンプレっぽい部分もあるが、ギャグが軌道に乗った時のテンポが心地好い。

母親がメインヒロインという雰囲気はそこまで強くなく、どちらかというと妹ちゃんも加えて家族の物語という印象だね。
『通常攻撃が全体攻撃で二回攻撃のお母さんは好きですか?』でもそうだったけど、やはり父親の存在に関しては不自然なほどにノータッチである。シリーズが長期化すれば影くらいは出て来るかもしれんが……。

種付けプレスに始まり、登場する作家さん達がとにかく終わってるネーミングばかりでなぁ。みんな強過ぎる。きめせくって平仮名で可愛く書けば許されると思うなよw
ここまで潔く下ネタ乱舞とは、最初からメディアミックスに全力で中指を立てていくスタイルなんですね。

頭おかしい筆名の作家が次々と現れる下り、完全に異能バトル漫画でしょ。名乗る時にいちいちオサレな解号を言うのめっちゃ良い……。これだけで100ページくらい読みたいまである。

ところで劇中作「シスターエイリアン」、大まかな粗筋しか分からないが普通に面白そうじゃない……?物凄くやるせない気持ちになりそうだけども。

そんな具合で期待以上のハジケ具合だった新作でした。このフルテンションを維持したままシリーズを続けられるかどうか……。

燃:B+ 萌:A 笑:A+ 総:A

シリーズリンク
母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ2 せめて息子のラブコメに妹までまぜないでください(2021/06)

第33回ファンタジア大賞リンク
魔女と始める神への逆襲 道化の魔女と裏切られた少年(金賞、2021/01)
デスゲームで救ってくれたから、私をあなたの好きにしていいよ(入選、2022/05)

ファンタジア大賞銀賞リンク
ごめんねツーちゃん -1/14569-(第22回、2011/03)
絶対服従カノジョ。 1.いいか、魔眼はつかうなよ?(第23回、2012/01)
今すぐ辞めたいアルスマギカ(第26回、2014/10)
俺の妹を世界一の魔砲神姫にする方法(第27回、2015/01)
オレのラブコメヒロインは、パンツがはけない。(第27回、2015/01)
帰宅戦争 帰りたいんだけど戦争起こしてもいい?(第28回、2016/01)
オタビッチ綾崎さんは好きって言いたい(第31回、2019/01)

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母親がエロラノベ大賞受賞して人生詰んだ せめて息子のラブコメにまざらないでください (富士見ファンタジア文庫)